トモエブログ

きぐるみハードコア

劇場版菱田正和。KING OF PRISM PRIDE the HERO(キンプラ)初日感想など

ぼくは菱田正和という人の、人格がやばい(最近の子はすぐヤバイと言う)ところが好きなのですが、ここ数ヶ月間、ぼくは、アニメ監督としての菱田かんとくに対して、一つの不安というか、心配というか、危惧している事がありました。

 

それは、「かんとく、このまま『プリティーリズムを観て下さい』と言い続けてキャリアを終えるつもりなのか!?」という事でした。

 

ぼくは富野かんとくの事が好きなのですが、アニメ作家(誰が否定しようがかんとく本人が否定しようが、富野かんとくはアニメ作家です)富野由悠季という人が、そのキャリアの中で「ガンダム」に縛られて、脱却しようと格闘し続けていたのに対して、菱田正和という人は、自分自身をプリティーリズムに縛り付けて、というか、縛り付いて、というか、「プリティーリズムの菱田」で終わるつもりなのか!?という危惧です。

 

そもそもぼく、「プリティーリズムを観て下さい」というワードをインターネットで百万回見てきましたけど、ちょっとマウント感があってあまり好きではないんですよね。ぼく、「プリティーリズムを観て下さい」という人を観るたびに、「機動戦士ガンダム逆襲のシャアは観ているし、勿論∀やGレコは観ているんだよなぁ!」と思います。とはいえ、まあ、ぼくも言いますけどね。ディアマイフューチャーを観て下さい!

 

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そんなこんなで、菱田かんとくに対する思いを抱えつつ、6/9、深夜。最速上映に誘った友人と共に映画館へ。

「じゃあ2800円ね」

「なんか高くなね?」

「映画二本分だからね」

「エッ?」

「6月10日公開の映画を、6月9日の22時50分から上映するわけないだろ!」

「オイオイとんでもない所へ来ちまったな」

 

会場の人数は30人ほど。この客入りで深夜特別営業の映画館の人件費がまかなえるのか……ッ!?と、余計な心配もしてしまいました。

 

そんなこんなで、まずはキングオブプリズムバイプリティーリズムを観ました。いや、実は2週間前にも観ていたんですが、久しぶりに映画観で観て、いや本当に面白いな!と思いました。ぼく、仕事中にヒロさんの事を考えて涙を流すという事が何度かあったのですが、やっぱりヒロさんの気持ちになるとグッと来てしまいますし、一条シンくんありがとうという思いにもなりますが、ここでは省きます。

 

で、2017年6月10日午前0時。とうとうKING OF PRISM PRIDE the HEROを鑑賞したわけですが、正直、初回鑑賞時は、「一体どうなるんだ!?」「旧作要素は何があるんだ!?」「オッ出たな五城桜!……五城桜……?五城桜、……また五城桜……。これは、ン、チョイ役じゃないな……。チョイ役じゃないのかよ!おい!五城桜!」と、少し集中に欠ける部分もあって、映画にかんぜんに集中する事が出来ませんでした。

やばい(最近の子はなんでもやばいと言う)ものを観せられたが、置いていかれてしまった、というか、完全に作品を消化出来ませんでした。

 

翌朝八時から、舞台挨拶中継付き上映に参加する予定だったので、ひとまずそちらに備える事にしました。参加予定ではありましたが、ローソンチケット経由でチケットは取っていませんでした。どうせ愛知県内で何箇所もやってるし、席余ってるだろ!という気持ちと、ぼく、チケット会社経由でライブビューイングのチケットを取ると座席が選べないのがめちゃめちゃ嫌なんですよね。ぼく、映画館では前から二番目の席に座るって決めているので。

 

SONNNAWAKEDE、二時間ほどの仮眠を経て映画館へと向かったのですが、向かっている途中で、段々とキングオブプリズムプライドザヒーローの内容が消化出来てきて、段々エモーショナルな感じになってきました。うおーっ時間差!

 

以下しばらく、初回と二回目を合わせたKING OF PRISM PRIDE the HEROの感想などを箇条書きにしていきます。

 

・冒頭、如月ルヰくんのプライド中の一連のシーンが素晴らしい!いや、これは逆襲のシャアのフィフスルナ落としまでの流れを三分程度で済ませてるようなもんでしょ!

・ああっ!?なんだこのタイトルのやつ!

CRAZY GONNA CRAZYは、やっぱりRL三期の事を思い出して胸がいっぱいになってしまうし、昨年末、解散発表直後のPrizmmy☆ちゃん達を観に行った事などを思い出してエモーショナルな感じになってしまう。

・ルヰくんの100%ピュアピュアアロー(カ・イ・カ・ン)に、うああっはぴなるぅぅっ!?うわっ、ひらひら開く恋の花!!!エッ!あっ!?はぁあっ!?

プリティーリズムで時々見られるキリスト教的モチーフは、菱田かんとくがミッション系の中高一貫校Facebookに書かれている事が正しければ)に通っていた事と関係があるのかなと思う。

・菱田かんとく、インターネットでキレキレだった時期に、僕が大人向けにアニメを作るとしたら殺人とセックスの描写を入れますと言っていたけれど、半分くらい殺しとセックスだよ!

菱田正和が実質プリリズ暴論を繰り出していたラ・ラ・ランドとロケ地被り(グリフィス天文台)してるぞ!

・シュッシュシャドウボクシングしているユウくんが可愛い。

・ぼく、DMF3クール目OPの映像があまり好きじゃないんですよね。いや、何でそんなみんな回ってんのっ!?って、思うんですよね。だって、プリズムショーって、そんな回る要素無いでしょ!と思って、いや、アイススケートがモチーフだからって、回しておけば良いみたいなのは、ちょっと違うのでは?と思っていたんですよ。だけど、いや、ヒロさんの特訓シーンを見て、「やっぱり回るのって重要だったんだ!!!!」と思いました。「もっとだ!もっと早く!」

・はちみつキッスカレー!菱田正和が実質プリリズ暴論を繰り出していた劇場版プリキュアでぼくが好きだったシーンが、みんなでカレーを喰うシーンなのですが、ここでもモチーフ被りが!と思った。

・いとちゃんが喋った時にマジビビりした。「これがみかこしさんの制作当時の髪型か……」と思った。

・プリズムキングカップ、高田馬場ジョージが歌い始めた時、初見時にマジで心臓が跳ねて止まるかと思って胸に手を当てた。

オッ出たな五城桜!……五城桜……?五城桜、……また五城桜……。これは、ン、チョイ役じゃないな……。チョイ役じゃないのかよ!おい!五城桜!

・5.1チャンネルになって、アレク登場からのキックの低音がめちゃめちゃ格好良い。

陰陽大戦記を観てくれ。

・正直、ぼくは涼野ユウくんかユキさまのショーが観たかったので人気投票でタイガくんが一位になった時は「タイガくん……か……」と思ったし、かんとくも想定外みたいな反応だったけれど、今となっては、タイガくんがプリズムキングカップに出ない選択肢がある!?

・最高。

プリティーリズムレインボーライブ放送終了から三年強、これだけの時間があったのに井内かんとくの作品をフォローしていなかったのはかんぜんに功夫が足りていなかった!

・カヅキさんがリフに乗ってるのは、菱田かんとくがエウレカの絵コンテを切っていたのが元ネタか……?

・一条シンくん、シン無限ハグの分身が会場に飛んでいってキャー!みたいな客の声が入るのがすげー面白い。

・無限ハグエターナルの時には何も思わなかったけど、流石に旧エヴァ劇場版シーンが頭に浮かんだ。

・如月ルヰくんのショー。こんなえっちな事して良いの?と思った。いや、これ、えっちミクミクダンスでしょ!!えっちミクミクダンス動画を観るためにニコニコ動画に課金したのは、とても屈辱的な事です。うわっ初手オーロラライジングオーロラライジング、流石に安撃ちされすぎな気もする。

・最高。

・ジュネさん、エ、記憶戻ったの!?直前にRL復習している時、「この天羽ジュネさんの人格は死んでしまう事になるんだ……」と思ってエモーショナルな感じになっていたのに!登場人物に対してめちゃめちゃ優しい菱田かんとくの作品の中で珍しく救済されない(記憶喪失は井内さんのアイディア)人だと思っていたら普通に記憶が戻ってしまった。菱田正和優しすぎる。

・ED。五城桜!オイ!ここにもか!i☆RIS総出演。井内秀治。

・アンコール。アニメ業界の待遇云々の話題も最近多いけど、本当にタツノコプロは乙部さんにたくさん報酬を払って欲しい。

・なるちゃんの唇がぷるんとしている。

・コウジくんのプリズムアフレコがRL26話のシーンの再現で、コウジくんがいとちゃんに自分からキスをしに行っているのは、RL26話でいとちゃんが背伸びをして、井内さんが「何でいとが迎えにいくんだ!」とすごく怒ったというエピソードを踏まえたものなのかなと思った。

・「恋の芽生え始めませんか」じゃねーだろ!!!!おい!!

 

 

初回視聴時には集中を欠いてしまった部分もあったのですが、二回目には、展開が分かっているという事もあって作品に没入する事が出来て、かんぜんにぐぢゅぐぢゅなかんじになりました。アレク以降はかんぜんに連続ドライ催眠音声ですよこれは。ゼロッゼロッゼロッ!!地球は黄色かったじゃねーだろ!バカ!

 

ハァ、ハァ。

 

 

家に帰って、落ち着いて、劇場版菱田正和、だったなと思いました。

冒頭で述べたように、菱田かんとくがプリティーリズムに縛り付きすぎている感じを心配していたんですが、もう、プリティーリズムとかそんな話じゃないんですよ。

作家としての富野由悠季という人にとって、作品を作るという事は、イコール世界を創造するという事なんですよ。そして、過去の作品を忘れるという事なんですよ。新しい作品を作る度に、今までの作品を無かった事にしたように新しい世界を創造する。富野由悠季という人、アニメ監督としては努力型の人なんですけど、世界を作る事に関しては天才的だと思っています。

それに対して!

菱田正和というアニメ作家(アニメ作家と言うぞ!)は、今まで自分が積み上げてものをそのまま武器にして殴ってくる人なんですよ。正直反則技です。反則だろ!!オイ!

この、「過去のもので殴りつける」という菱田かんとく最大の武器は、作品内でも、「絶望した大人に過去の自分自身の夢を見せつけて殴る」「過去の自分の発言でプライドを唐竹割りにする」などの形で、何度も繰り返し使われていますが、それを、客に対して使ってくるのが菱田正和という男なんですよ!

だから、もう、劇場版菱田正和は「プリティーリズムを観て下さい」とか、そんな話じゃないんですよ!もうプリティーリズムじゃなくて「菱田正和」なんですよ!五城桜の出演も、普通に考えたら100%ダメな事だけど、もう、そんな善悪の彼岸なんて越えてしまっているんじゃないでしょうか。

これはルール違反なんじゃないかという所で勝負をかけて、最後に力技で土下座させる、ヒロさまのショーが、まさに劇場版菱田正和の体現なんです(最後に思いつきで適当な感じにまとめた事をを言いました)。

 

「一同!そこにかしこまりなさい!」

 

ううぅぉっ、くそっ、ぼくのっ、ぼくの負けだ……。

うおーっ。ぼくはノンシュガーの月川ちりちゃんがだいすき。

 

<おわり>