トモエブログ

きぐるみハードコア

【感想メモ:舞台】ミュージカル「少女革命ウテナ ~白き薔薇のつぼみ~」

※個人の感想のメモです。

 

 

 

個人的に、アニメの舞台化の時に一番がっかりするパターンは、アニメの内容をそのまま舞台で再現したような内容の時。

その点で、今まで一番がっかりしたのは、WUG!の舞台の時だった(一番最初の映画の内容をそのまま再現された舞台だったので)。

舞台という媒体は、アニメや漫画よりも虚構性の高い媒体なので、アニメ1年分の内容くらいなら舞台上で再構成して演じられるだろうと思っているし、その点で、セラミュや、ライブミュージカルプリパラはとても良かったなと思った。

 

そんなこんなで「『少女革命ウテナ』の舞台」を期待して観に行ったら「『少女革命ウテナ第一クール生徒会編』の舞台」だったのでがっかりした。

ウテナ役の子の演技や殺陣がアンマリだったのは置いておいて、少女革命ウテナの舞台で、学園を出ないって、いや、駄目でしょ!と思った。

大人になりきれていない、思春期らしい全能感を持った格好良い少年少女の姿を観せられて終わるウテナの舞台って、それはもう、ウテナから一番かけ離れていないかと思う。

ハイアンドローのSWORDのメンバーが、マイティーウォーリアーズや九龍グループと対決せずにSWORD地区だけでわちゃわちゃやって格好良い思春期の青年のままで終わるようなものでしょう。オヤコーの村山くんだって、十年後に一緒に笑ってお茶を飲もうって言ってたでしょ(言ってない)。(そういえば、上演前に渋谷109でハイアンドロー展に行ったけれど、お洒落な女の子が沢山居て、あっ、やっぱり本来の客層ってこういう層なんだよなと思った。マッドマッガルパンキンプリシンゴジハイローバーフバリ!(呪文))

 

それこそ、ウテナの場合はテレビシリーズの内容を90分未満で再構成した劇場版があるのだから、同じように「少女革命ウテナ」の内容を2時間で舞台上で再構成したものが観たかったなと思った。

 

それと、ウテナといえば「持っている者」と「持たざる者」の対比。「特別な存在」と「その他大勢」の対比が特徴的だけれど、今回の舞台ではアンサンブルが女性二人に男性二人。この四人が兼ね役やその他大勢の役をこなすので、なんなら生徒会メンバーよりもキャラが立ちすぎていたのが、ううん……と思った。

 

あとは、ウテナ(というよりは幾原かんとくのアニメ)といえば個性的な演出が大きな魅力の一つだけれど、演出面であまり「エッ?!」となるようなポイントが無かったのも苦しかった。

 

劇中曲の4つ打ちドッツーパッツーな曲でミュージカルしているのが面白かったから、シーザー曲を使わないのなら、全曲四つ打ちドッツーパッツー曲で通して欲しかった。