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きぐるみハードコア

【読んだ本メモ】貝塚茂樹「中国の神話 神々の誕生」

・1971年発刊の書籍(原著は1963年)の再刊本だという事を、読み始めてから知る。

・一つ目一本足猿面の山神「夔」にまつわる論を一つの切り口にしつつ、歴史時代以前の神話世界を再構成しようと試みられた本で、読む前に予想していた内容とは大きく違う読書感だった。

・著者の語り口については、「へぇ~」と思うものの、「本当~?」と思う部分も多かった。

・また、解説の部分で「批判する人もいるのではなかろうか」と触れられてもいたけれど、柳田/折口民俗学の研究を切り口に中国神話の世界を考察していくという手法は、どうなんだ……?とも感じた。

・一つ目一本足の神/怪物、という「一つ目小僧」から「岩永琴子」まで、日本においてキャラクターとしてメジャーになっている存在が、古代中国神話のいて大きな役割を持っていたという事は知らなかったので、面白いなと感じた。

・50年以上前の本という事もあり、「書かれた当時の、今と違う時代の空気感」のようなものが感じられて良かった。