トモエブログ

きぐるみハードコア

【日記:1/7-8】飛騨高山/白川郷に行きました

2024年1月7-8日。

江衛子さん(配偶者)と、飛騨高山と白川郷に行きました。

 

元々のきっかけとしては、22年末、下呂の温泉街に行ったのですが、それが思いの外楽しかったので、その後、江衛子さんと温泉むすめ(下呂には温泉むすめの人が居た)のサイトを観たりしながら、「次は高山と白川郷に行きたい!(雪の時期に)」とぼくが主張していた事です。

 

その後の直接のきっかけは忘れましたが、24年1月の7日から8日にかけて、飛騨高山と白川郷に行く事になりました。

高山駅から白川郷へのバスはそこそこ値が張るものでしたが、江衛子さんに、JRの特別快速と白川郷行き+αのお得なパックを予約して貰えたので、白川郷へは無料(?)で行く事が出来ました。

 

そんなわけで、名古屋駅から特別快速に乗って高山へ行きました。

 

 

ゆ、雪が一切無い……!?

 

正直、今回の旅行では雪も楽しみにしていたので、少し肩透かしを食らった気分にもなりましたが、いや、高山といっても、別に普段から雪が降っているわけではないか……。

とも思いながら、江衛子さんに連れられ、白川郷行きのバスの発券のじゅんばん街をしていました。

お、温泉むすめの人たち……!

 

 

せっかくなので、高山の温泉むすめの人を装備していく事にしました。

 

そんなこんなでバスの時間まで時間を潰したりしながら、白川郷行きのバスに乗り込みました。

白川郷も雪が積もっていなかったらどうしよう……と思っていましたが、

 

 

 

白川郷……!雪……!!

 

 

ひぐらしの人達……!!

(この後、江衛子さんの案内で「ひぐらし」のスポットを回っていく事になります)

 

 

帽子の死骸……!!

 

 

嘘だッ!!!の坂……!!

梨花ちゃんハウス……!!

 

 



そうこうしているうちに、どんどん雪が強くなってきました。

身体にも、めちゃめちゃ雪が積もっていきます。

 

その後もちょこちょこと周りつつ、寒くなったので早めに高山に戻りました。

(カメラやレンズに雪が積もっていったので、写真はあまり無し)

 

高山に戻り、夕食前に日帰り温泉に入る事になったので、温泉に入りに行ったり、顔はめパネルで写真を撮ったりしました。

温泉に入った後、江衛子から、

「おじさんから、『君、おっぱい出てるね~』って言われなかった?」

と言われました。

温泉では、最近観たバンドリ!の温泉回の事を思い出したりしていました。

 

その後、行こうと思った焼肉屋が人が多すぎて断念したので看板と記念撮影だけしたりしつつ、居酒屋に行った後でホテルに向かいました。

 

ルートインホテルに初めて泊まったのですが、ルートインのマスコットキャラクターのルートンが可愛くて盛り上がりました。

 

 

ルートインの「マトン」という事は、女の子か、去勢された男の子という事……どうせなら(?)男の子の方が良いな、なんて事を言っていたのですが、公式サイトを見てみたら、男の子だったようです。

https://www.routeinnhotels-ruton.com/

 

翌日。

朝食バイキングを食べ、ホテルの外に出ると、めちゃめちゃ雪景色になっていました。

高山駅周辺も積雪。

駅から少し歩いた、古い街並みという場所に行きました。

 

日本酒の試飲をしたり、何かを食べたりしながら歩きました。

川。

川。

飛騨レトロミュージアムという施設があったので、入りました。

中にあったパチンコ台やスロット台を江衛子さんが気に入って遊んでいたのが面白かったです。

 

その後、初日の夜に居酒屋で飲んだ日本酒が美味しかったので駅近くのお土産屋で同じものを購入して、特急ひだに乗って帰りましたが、購入した日本酒は、電車の荷物棚へ置き忘れました。ぎゃ~!(JRに問い合わせしても見つからず)

 

(おわり)

【日記:11/28】VRChatで音楽イベントの主催をした話(トーキョーエコーチェンバー)

2023年11/28(火)、VRChatで音楽イベントを開催致しました。

イベント名は、「トーキョーエコーチェンバー(TOKYO ECHO CHAMBER)VOL.1」。

ちなみに、フライヤーでは「TOKYO ECHO CHAMBER」のスペルを間違えています。

 

 

前々から、VRChatで音楽をやってみたいという気持ちはあったのですが、きっかけとしては、ぼくが自作したワールド「TokyoToxicSpace」にて、WHITE POWDER(しろ・こなー)さんと、一緒に作成させていただいたスプリット音源「TOKYO DEATH REPORT」の打ち合わせ中、ぼくが「スプリットも出す事ですし、一緒にライブしませんか?」というような声をかけさせていただいた事がきっかけです。

 

「ライブをしたかったら、自分がライブの主催をするのが一番良い」という事は経験上分かっていたので、そのようにした、という事です。

 

当初は、WHITE POWDERさんとツーマン的な予定でしたが、同時期に、蘭茶みすみさんの生誕日ライブにVRChat上で参加し、その内容がとても良かったので、しろ・こなーさんに、「蘭茶みすみさんを誘っても良いですか?」と相談&その後、蘭茶さんに打診させていただいたらその場で了承頂いたという流れです。

talkingbox2022.com

 

「トーキョーエコーチェンバー」というイベント名には、

「VRChatのようなソーシャルVRは、ニール・スティーヴンスンが「スノウ・クラッシュ」で描いたような広大なメタヴァースとかけ離れた、エコーチェンバー響き渡る小宇宙的空間に過ぎないのでは……?(だからこそ、楽しいのでは?)」

という意味が込められています。

 

そんなこんなで、11/28(火)。

自作ワールド「TokyoToxicSpace」にて、イベントを開催させていただきました。

 

VRChatでの音楽イベントというものが概ねどういった形で行われるかといえば、よしたか氏が開発された、TopazChatというシステムを使用して、各々のPC環境からの音楽を出力し、ワールド内に響かせるというものです。

 

booth.pm

 

ワールドにそのシステムを設置して、自分で何度も試しているので大丈夫だろうとは思いつつ、本当に大丈夫だろうかと思いながら、本番を迎えました。

 

WHITE POWDERさんには、直前に開催された主催ライブでのセットを再現される形で、ワンマンゴアグラインドを披露していただきました。ズゴゴゴと響く曲を聴きながら、早々に、いや~~イベントを開いて良かったな~~~、と感じました。

 

続いての蘭茶みすみさん。

ご自分で「中だるみタイム」などと仰って(自分で絶対思ってないだろ?!と思いました)いましたが、普段のライブよりもギア落とし気味(ぼくは普段から、所謂「ギアを上げる」という形で使われる表現を、「ギアを落とす」と表現しています。「ギアを上げる」って、楽に巡航しようとしてんじゃねぇか……!と思っているので)の内容で、とても面白くて良かったです。(観てるかNHK……?!)

 

その後、サプライズという形で、蘭茶みすみさんとのユニット「歌援便」で演奏を行いました。曲は、ぼくがかつて作成したVtuber蘭茶三角(2018年)ファンソング「蘭茶ママ」と、希死念慮を抱く蘭茶みすみさんが、自身の射殺祈願を歌う「できない理由を考えるのではなく」という曲です。

ヤマハの合奏アプリ「SYNCROOM」を使っての初めての演奏でしたが、使い方に慣れておらず、反省点があります)

 

そして、自分(TokyoToxicRecords)の出番となりました。

ライブというよりは、「元々用意した動画に合わせて、自分の曲をDJコントローラーで繋ぎながら、物語のようなものを語りつつ、随時歌える部分はボーカル部分を歌う」という形式を取りました。

ぼくのワールドには、TopazChatと別に、iwaSyncという大きな動画プレイヤーを設置しており、そこで、動画を流していました。

booth.pm

 

反省点としては、「やる事が忙しすぎる」「わざわざDJ形式で音を繋ぐ必要は無いのでは?(一本wavDJ形式で良いのでは?)」といった項目がありますが、物語という形式を取ったのは良かったのでは?と思いました。

 

兎にも角にも、とても楽しかったです。

各々方、出演&ご来場、誠にありがとうございました!!!!

 

 

感謝!!!!!!!!!

 

(おわり)

 

【おまけ】

やはり、ライブをするのはイベントは自分で主催をした方が良い、という思いを強くした事もあり、次回(かどうかは分かりませんが)は、2024年の3月17日(日)、名古屋新栄DAYTRIVEにてイベントの主催をします。「アメリカ民謡研究会Vol.1」というイベントです。

飲み放題付きでもあるので、名古屋周辺の方は是非乾杯しましょう……!!!

 

(おわり)

【日記】女性ホルモン剤服用記録:2年半「メスホル喰うのも政治活動」

定期的に、女性ホルモン剤服用の記録を残していく日記です。

前回の記事から4ヶ月ほど。

 

 

tomoekixx.hatenablog.com

 

前回の記事では、乳房の成長が著しくなってきたので服薬している薬剤を半分づつにしている、という事を書きましたが、今は、プロゲステロン剤のマレフェMTFの量を元に戻して、エストロゲン剤のエチニラだけを半分にしています。

これは、マレフェMTFの量を減らしたら、性欲が戻ってきたような感覚があったので、元に戻した、という事です。

 

前回からの変化という面で言えば、性欲がほぼ完全に消え失せたという事が大きいかもしれません。減退というレベルではなく、消失というレベルです。

同時に、性的なものとしてアウトプットされる生身の女性の身体に対する嫌悪感も、以前より増しているという自覚があります。

 

なんだかんだで女性ホルモン剤服用の継続期間が2年半になりますが、心身の具合はハッキリ言って最高に具合が良いです。

 

デメリットといえば、胸が痛む(物理)事と、女ホル服用を打ち明けた友人から、色々あって縁を切られそうになっている事くらいです。

 

生殖能力は一年を過ぎたあたりの時点で、(おそらくは非可逆的に)失われていますが、これは特にデメリットではありません。

人間の価値というものは、生殖機能の有無で決まらないという事は勿論ありますが、ぼくは倫理的な面でノット反出生主義者ではありつつ政治的な面で非出生主義者なので、むしろアドですらあります。

政治的な面で非出生主義者、というのがどういう事かというと、ぼくは反国家思想を持っており、国家や、あるいは資本制システムにダメージを与えるために一番効果的な攻撃方法が、人口再生産のボイコットだろうと思っているので、その実行を推奨している、という意味です。

 

昨年の中国で、COVID-19禍での当局の指示に従わなかった上海の若者が、「この罪は三代に渡るぞ!」と詰め寄られ、「句我們是最後一代!謝謝!(私達が最後の世代です!ありがとう!)」と返した言葉と動画がバズってミームになりましたが、そういう事です(それを題材にした展示が含まれた芸術展が今年の5月に深センで開催されましたが、早々に中止に追い込まれたりもしました)。

 

www.asahi.com

 

ぼくが最近つくづく思うのですが、「選挙の時に投票をする」行為だけが政治を左右するための行動だと感じている人が多いのではないか? という事です(ぼくは代議制民主主義のアンチであり、そもそも選挙時における投票行為の価値に重きを置いていない、という考えを持っている事もありますが)。

何が言いたいかというと、投票行為は勿論の事、デモや署名などの活動などを別にした所で、その濃淡に大きく差はあれど、そもそも、ぼく達が一日一日を過ごす一挙手一投足が政治的なのではないか? という事です。

VRChat用のアバターやワールド用アセット等の使用条件のNG事項に、「政治的活動」が設けられているものが多くありますが、そもそも、人間の活動で政治的活動でない活動があるだろうか?(いや、無い)(反語))という事です。

それは言い過ぎ(ラディカル的過ぎ)かもしれませんが、ぼくは「メスホル喰うのも政治活動」という気持ちで女性ホルモン剤を服用しています。

 

話題を少し飛ばしますが、最近、KADOKAWAトランスジェンダーに関する本の出版が取りやめになる事件がありましたね。

 

web.archive.org

 

思春期の少年少女に関する性別違和と安易な身体性の変化に対する警鐘を鳴らした本のようで、正直、読んでみたかった&読んだ上で色々と言いたかったなという気持ちがあります。

似たような話題で言えば、ダグラス・マレー「大衆の狂気」という本のトランスジェンダーの項目の中で語られてもいました。

 

 

 

 

その中で、「ちょっとした性別違和から、ベルトコンベアのような流れで性転換へと至ってしまう」イギリスの少年の事例の紹介などもされていました。

 

しかしながら、やはり自分としては、人間には自分の身体を自由にする権利があるので、例え後に後悔する事になる可能性があるとしても、気軽に自分の身体を変化させても良いだろうという考えを持っています。

 

前回の記事のシメで、

 

>基本的に、個人的には女性ホルモン剤を服用してQOLが向上しているという自覚がありますが、ぼくが心身ともに人よりも健康であるという自覚がある人間なのでこのような状態にあるにすぎないだろうという気持ちが強いので、人には特に勧めません。

 

>人には勧めませんが、本音としては上記の事はタテマエで、人間には自分の身体を自由に出来る権利があるので、興味があれば気軽にやってみれば良いんじゃないか、という気持ちがあります。

 

と書きましたが、そういう事です。

むしろ最近は、「人には勧めませんけどね……」というポーズや建前などは取っ払って、積極的に人に勧めていっても良いのでは?!とすら思っています。

 

(おわり)

【(少し前)読んだ本】「全相三国志平話」読んで興味深かったけれど、読み物として面白かったかといえば……

少し前、「全相三国志平話」を読みました。

 

翻訳は、少し前にぼくが読んだ版の三国志演義と同じく立間祥介氏。

 

なんだかんだで三国志関連の書籍などでだいたいの雰囲気だったり、冒頭で楚漢戦争時代の因縁からの転生劇や、最後に劉備の子孫(大嘘)の劉淵が漢を復興して晋を撃つあたりの要素などは知っていました。

 

知ってはいましたが、やはり実際に読んでみると、「こんな内容なのか……!」という驚き混じりの面白さがありました。

 

序盤~中盤は、張飛がかなり暴力的に活躍するのが印象的でした。

黄巾との戦いで活躍するのはともかく、太守邸に乗り込んで館の人間を皆殺しにしたり、督郵鞭打事件でも、督郵を鞭打った後で死体をバラバラにしたりしていたのは、いや、めちゃくちゃでしょ……!!と思いました。

ちなみに督郵鞭打事件、正史では劉備が起こした事件という事でもおなじみですが、三国志平話では、張飛が鞭打つ様を劉備関羽で座って見物する流れになっています。

完全に張飛の独断で鞭打っていた演義と違って、この時点では劉備も一応は事件に関与しているというテイになっているのか……と思っていたら、後々になって、劉備張飛に向かって「お前があの時督郵を鞭打ったりしていなかったら、その後数年間山賊として過ごす事も無かったのになぁ!」と愚痴るような場面があって、エッ、お前、座って見物してたやんけ、と思いました。

 

突っ込みどころという面では他にも色々と多く、そういった意味では楽しかったのですが、ですが正直、「読み物として面白かったか?」といえば、……(う~~ん)という話です。

 

劉備陣営をメインに置いて描くのは良いとして、ライバル役の曹操だったり、あるいは孫呉陣営が、一切といって良いほど魅力があるように描かれていないのが、う~~んと思いました(曹操公孫瓚あたりも殺した事になっている……!のは、まぁ別に良いんですが)。

それと諸葛亮も、正史でのワンオペ忠臣宰相的な魅力が削ぎ落とされ、なおかつ三国志演義的な天才軍師的な味付けもされておらず、なんだか人間離れした特殊能力を持っているだけで魅力に欠けた描き方をされていたように感じられました。

南蛮征伐での「孟獲七縦七擒」のエピソードなんかも、正史および演義での、現地の人々を心服させるため……というわけではなく、捕らえる度に貰える身代金目当てという事になっており、いや、器ちっちゃいでしょ……!と思いました。

何故か王平も、ちょっと攻城に手こずっただけで諸葛亮に処刑されて、諸葛亮咎められて「いや何か?」みたいな反応だし、そんな雰囲気なので、馬謖処刑も全くエピソードとして映えない……!(そもそも泣いてないし)

 

知識としては、「三国志演義」が「三国志平話」を下敷きにして成立したものだという事は知っていましたが、改めて、三国志演義がいかに洗練された小説かという事が感じられました(三国志演義自体、明代の成立以後、複数の書き手によって多くの時間をかけて成立した小説ですしね)。

 

赤壁戦前、曹操に対抗する策をいっせーのせ!する場面で、呉の群臣達が手のひらに「火」と書いて盛り上がっている中で、諸葛亮だけが「風」と書いている場面は面白いなと思いました。

 

(おわり)

 

 

【読んだ本】波間丿乀斎「「五胡十六国」入門」

三国志熱が高まっているという事もあり、今までの人生の中で何度か挑戦しようと思って、毎回毎回「よくわからない~!」となってしまっていた五胡十六国南北朝あたりを改めて調べたりしたいという気持ちが高まり、Kindleで「五胡十六国」と検索。

まさにそのままのタイトルの個人出版Kindle本がヒットし、自分がKindleアンリミテッド会員という事もあり、あまり期待しないままで読んでみる事にしたのが本書でした。

 

構成としては、

 

1:五胡十六国のあらまし

2:国別人物簿

3:五胡十六国の楽しみ方(資料・文献等の紹介)

 

という構成になっています。

 

五胡十六国時代のオタクの人が軽い語り口で五胡十六国時代の事を語っていくという内容ではありますが、読んでいる内に、これは、確かに分かりやすい……!段々と、わかってきたぞ……!というカンジがしてきました。

 

正直な話、最初に「五胡十六国のあらまし」を読んだ段階では、……なるほど???(いつも通りの、あまりピンと来ない理解度)程度の理解度でしたが、「国別人物簿」で各勢力の人物紹介に触れた後で改めて本書を読み返してみると、今まで全然頭に入らなかった五胡十六国の流れがするすると分かるようになっている事に気づきました。

 

五胡十六国時代、および南北朝時代

確かに、調べてみると面白いな……! という事が分かってきました。

各勢力図の変遷と、その勢力下での登場人物や人物関係が頭の中で組み上がってくると、確かに面白い……! それと、少し前までは「なんとなくカオスな時代」程度の認識でいた五胡十六国南北朝あたりの時代ですが、マジで異常な人物やエピソードが山盛りすぎでしょ……!という新鮮な驚きがあります。

 

五胡十六国の楽しみ方」のコーナーで、細かく資料や文献の紹介がされているのも、親切設計というか、オタクの人が人に自分のジャンルの事を布教したい熱が溢れていて良かったです。

さしあたって、真っ先に紹介されていた宮崎市定氏「大唐帝国」も読んだので、それについては改めて書きます。

 

 

 

【読んだ本】羅漢中「三国志演義」いや、面白かった~~~~~~~~~っっ

少し前の記事にも書きましたが、最近、三国志演義を読み直していて、読み終わりました。

いや~~~、めちゃ面白かった~~~~~~~~~っ。

 

世の中に数多ある「三国志モノ」の創作物の中でも、結局三国志演義が一番面白いのでは……? と思うくらい面白いです。

 

全120回を通して、後漢末の動乱から晋による統一までの約百年間を物語るという構成という事もあり、基本的に(諸葛亮が活躍する時代辺りの諸葛亮アゲ描写がクドかったりもしますが)テンポ良く物語が展開していくのがやっぱり良いです。黄巾の乱なんかも、第二回で終わりますしね。

また、三国志演義といえば、劉備諸葛亮、あるいは最大のライバルである曹操が主人公格として物語が描かれる作品ではありますが、そんな主要キャラクターが死んでも、物語が次の回次の回へと淡々と断絶的に続いていく感じが、とても好きだなと感じました。あくまで彼らは主人公格ではあっても主人公ではなく、三国志という時代を彩る登場人物の一人に過ぎない、というような描き方が、群像劇的で良いです。

とはいえ、(ぼくは基本的に、演義諸葛亮は好きではないのですが)諸葛亮の最期あたりの描写は、かなりグッと来るものがありました。

 

全体の構成を通して、やっぱり反董卓連合~呂布の死あたりの群雄割拠時代が一番面白いな~~とも感じました。有名人物が次々と登場する感じだとか、各勢力が手を結んだり敵対したりする感じだとかが。

それと、序盤は戦場における武将個人の強さ≒軍団の強さといった描写が読んでいて気持ちが良いですね(徐庶の登場あたりから、この辺りの作中の戦争のルールが変わっていきますが)。

あと、捕縛された呂布の処遇を曹操に聞かれた劉備が「こんなヤツ信用しない方がいいでしょ……」と言うシーンは、演義補正があった劉備だとしても、どの口が~~~?!ってカンジで面白いです。

 

先に、演義での諸葛亮が好きではないと書きましたが、いや~~、赤壁前後あたりの周瑜魯粛がカマセ役になった諸葛亮アゲ描写、やっぱり好きじゃないですね。

赤壁後の話で言えば、第五十六回「曹操大いに銅雀台に宴し 孔明 三たび周公瑾を気らす」の回での銅雀台でのわちゃわちゃエピソードがとても好きです。なんだか、アニメの「野球回」みたいなカンジで)

それと南蛮編も、なんだかテンポが悪くてあまり好きではありません。

北伐編に入ってからの諸葛亮司馬懿のライバル関係については、やっぱりなんだかんだで面白いですね。諸葛亮が奇策によって戦術的勝利を重ねながらも、戦略的には勝てない描写の塩梅が良いなと思います。

あと、諸葛亮司馬懿に女物の衣装を送って煽るエピソードは有名ですが、その何回か前の北伐戦で、司馬懿が曹真に対して自分の意見を申し入れる時に「(もし違っていたら)顔に紅・白粉をぬり、女の着物を着て、お詫びに参上つかまつります」とか突然自分から言い始めたのが面白かったです。「素質あるよ」ってカンジで。

 

今、正史も順番に(有名な人の項目から)読んでいるのですが、裴松之による注で補われた面白エピソードだったりが、三国志演義で上手く物語に組み込まれているんだな~と関心したりています。引用した裴松之自体が「いや~、こんな話ウソでしょ~~~」みたいにコメントするような話も多いのが面白いですね。逆に、この話、陳寿による記述パートからの話だったのか~~、なども(鍾会による諸葛亮の墓参りイベントなど)。

 

三国志演義の下敷きになった「三国志平話」も読みたいな~と思っているのですが、絶版のようなので、とりあえずは図書館で借りて読みたいと思います。

 

(おわり)

 

 

 

「自分は『プリキュアシリーズ』が好きだったんだ」という錯覚を覚えてしまった……!(映画 プリキュアオールスターズFを観ました)

ぼくは、「プリキュアシリーズ」というものが好きな人間ではありません。

 

ぼくは、「xx(IP名)シリーズが好き」という形式での「好き」という感情全般に対して、強い疑念を抱いている人間です。

ハッキリ言ってしまえば、そういった「好き」の感情は、「自分はxxシリーズが好きな人間」だというアイデンティティを保持するための、ニセモノの「好き」に過ぎないのではないか、とすら思っています。

 

また、各々違った作品を一つの「シリーズ」としてまとめる行為は、創作された作品世界を、IP(商品)として見るような感じがして嫌だな、という気分があります。

 

(こういった思想が自分の中で強くなったのは、作品としての「ガンダム」に好きな作品は多くあれど、IPとしての「ガンダム」を長い間憎み続けているからだという自覚があります)

 

なので、「好きなプリキュア作品」は複数あり、おおむね毎年全話を追いかけてはいますが、ぼくは「プリキュアシリーズが好き」な人間では決してありません。

(本当は「プリキュアシリーズ」に対してはもっと悪感情を抱いているですが、本筋と外れるので今回は書きません)

 

とはいえ、ぼく自身、プリキュアTVシリーズを観続けているのは「プリキュア(作品)」が好きというよりも「プリキュアを観る行為」が好きという、いわば惰性的というか、純ではない消費の仕方をしているなとも感じています。

 

 

 

そんな諸々の気持ちを抱きつつ、9/16(土)、朝一の回から、映画プリキュアオールスターズFを観に行きました。

ぼくはスイートプリキュア♪以来の田中裕太かんとくのファンなので、どちらかといえば、「タナカリオンかんとくの映画を観に行く」というモチベーションが強かったのですが、前々日夜(最速上映)終了後のTwitter上の様子などで、なんとなく、何か、只事ではない事が起きているような事が伝わってきた事もあり、観始める前から、ハードルが上がっていた状態でした。

 

以下、映画の内容に言及。

 

タナカリオンかんとくのプリキュア映画、登場人物の名前の出方が一昔前のエロゲみたいで好きだな、と思ったり、「はらペコった~~!」からタイトルがバンと出る感じに「劇場版ドラえもん?!」となったりもしつつ、田中かんとくお得意の観ていて気持ちが良い戦闘シーンが続く冒頭。

ドラゴンボールやワンピースの映画(あるいは、ダイの大冒険の気合の入った回)なんかもそうですけど、東映アニメーション作画のバリ気合入ったアクション、めちゃ気持ちが良い~~~&たまには、スイートプリキュア♪の時みたいに、思い切りリミテッドな環境でのタナカリオンかんとくの各話演出回が観たいな~~、などと思いながらの序盤。

なんだかんだで3チームに別れ、ところどころ不穏な要素を見せながらも、穏やかに進む旅路。

行程での衛生状態だったり、このシュプリームって人、一人だけ私服めちゃ可愛くない?! いや、服可愛いでしょ……!と思ったりしつつ、各チームが同じ場所へ揃ったりする中盤辺りで、「いや、そろそろ他のプリキュア達、出てこないのか……?」などと思っているうちに、過去の回想。

地面に打ち倒されて動かないミルキィローズという絵面がとても衝撃的で、えっ……?あれだけ強い、ミルキィローズが……?!

そんな風に戸惑っていたら、次々と続く敗北シーン。

エッ……?!

これ、みんな、死んでんの……?!

 

いや、マジか~~~~、それと、弱者と悪者、それを倒す正義の味方ごっこ(メタでしょ!)を演じるシュプリームさん。

いや、シュプリームさん、私服もそうだけど、その衣装、それから姿かたち、めちゃ可愛いでしょ……!(その姿になってみたかったの?!)という所に萌え(死語)を感じたり、敵対後に肌の色が変わる描写、怒られないかな……といった事を考えたりしました。

 

そんなこんなで、プーカ(めちゃ可愛存在被造物)による反逆。

被造物による創造主への反逆というテーマは、個人的に好きなポイントでもあります(グノーシス主義者なので)。

一度再構成された世界が再度分離された後、皆のプリキュアの記憶によって、消滅したはずのプリキュア達が蘇っていく展開。

いや、こ、こんなのズルでしょ~~~~!!!

少し前のライダー映画でもありましたけど、こんな事をやられると、一気に感情を持っていかれるんですよ。あくまで物語の傍観者としての存在だった自分自身が、突然、物語の最前線に立たされるワケなので、それも当然なのですが、いや、ズル、ズルでしょ~~~~っ!

などと思っていたら、ぼくの記憶を通じてプリキュア達が蘇るだけではなく、戦闘時のレスバトルパートで、蘇ったプリキュア達のかつての名シーンだったり、台詞だったりを、一々的確な文脈で引用して揺さぶりをかけてくる~~~っ?!

この辺りの、「過去作の文脈を使った情報圧縮による過去作視聴済観客特効攻撃」は、KING OF PRISM(アニメ映画)と似た感覚を覚えたりもしました。

ぼく、HUGっと!プリキュアに対しては色々と思うこともあるのですが、キュアエールさんの応援→キュアモフルン等々の描写→プーカのプリキュア化の流れなんか、とてもグッと来てしまいました(HUGっと!におけるプリキュアという存在は、自己実現の象徴)

あと、あ~~、満と薫……!いや、満と薫って文字列を打っているだけで泣けてくる……いや、映画だとかを観て、感情が動いた結果として涙が出る事に関して、ぼく自身はせいぜい生理現象にすぎないと思っていて、特別大きな価値を置いてはいないのですが、この辺りではもうずっと泣いているので、まあ、そんな事はどうでも良いんですが……(混乱)。

過去描写関連とは別でぼくがグッと来たのは、キュアウィングくんが言った、「僕たちを忘れないで」といった旨の台詞です。

いや、弱いんですよ、ぼく、こういう、フィクションの登場人物が観客へ願いを投げかける台詞に。

ぼくが「思い出しただけでほぼ確実に涙が出てくるアニメの最終回のシーン」というのが二つあって(まあ、涙が出る事自体は大した事ではないのですが)、その一つが、明日のナージャの最終回のローズマリーの台詞で、もう一つが、ジュエルペットハッピネスのルビーの台詞なんですよ。

「ルビー達の事、忘れないでね。大人になって、他に楽しいこといっぱい見つけても、お仕事するようになって毎日疲れちゃっても、結婚してお母さんになったとしても、ルビーの事忘れないで!」

って台詞を、シリーズ最終作(厳密には最終作ではありませんが)の最終回に、シリーズを通しておちゃらけて(いるシリーズが多く)、主役を張ってきたルビーが、そんな視聴者へ向けた願いのような台詞を言うのが、まあ、xxシリーズなんてくくりはどうでも良いと思っているのですが、もう、思い出すだけでもうわ~~~、泣けてくる~~~~、ってカンジなんですよ。

一つ一つの細かい描写を拾っていけば他にもいくらでも言う事はあるのですが、とにかく、ぼくがこの映画を観終わって一番に思った事が、プリキュアシリーズが好きで良かった~~!」という事です。その次に思った事が、「「自分はプリキュアシリーズが好きだったんだ」という錯覚を覚えてしまった……!」という事なのですが、この二つの、あるいはこの記事中に散在する諸々の矛盾した感情は、それぞれ矛盾しながらもぼくの中で確かにダブルシンク的に両立しているものです。

 

うお~~~、それと、シュプリームとプーカの関係、めちゃ個人的にツボです。

創造主と被造物という関係でありながら、自己と、もう一人向き合える対等な他者という関係性を築いているのが、めちゃ良いです。あと繰り返しになりますが、シュプリームが自分の意志であんな可愛い姿かたちになって、あんな可愛いマスコットを作っているのも、性別不詳って所も良いですね。一人遊びをやっているのもシンパシーが湧きますし、いや、シュプリーム……さん……好き……

 

(おわり)