トモエブログ

きぐるみハードコア

【感想備忘録:小説】「りゅうおうのおしごと!」1-5巻

・普段あまりライトノベルを読まないので、作中のイラストが単なる挿絵という役割を越えて、明確な演出意図をもって用いられているのが新鮮だった。電子書籍版だとどうなっているんだろう。

・正直な所、二次元的なロリっ娘という存在……というか概念?がそんなに好きではないので、JS研パートは我慢して読んでいる。

・競技モノとしてめちゃめちゃに面白い。群像劇的な作りがとても良い。

・男女の棋力の差が残酷なまでに前提に置かれている。一巻のオマケパートも、単なるサービスパートのように読めなかった。女流棋士として重要なのはルックスと明言されているのも、それが現実なんだなぁと思いつつもキツいなぁと思った。そんな現実に対して、作中ではフィクション度が高い女性キャラクターほど棋力が強いのが印象的。

・桂香さんというキャラがめちゃめちゃに良い。いわゆるおっとりお姉さんキャラという存在はあまり好きではないけれど、桂香さんが主人公といえる三巻での主観パートで震えた。アイドルマスター.KRのソリさんのくだりもそうだけれど、ぼくの年齢的にもこういったエピソードに弱いかもしれない。

・三巻での銀子ちゃんと桂香さんの会話が特に印象的だけれど、主人公八一の異常さや才能を示す描写が、主人公視点以外で描かれるのは上手いなぁと感じた。

・四巻での、銀子ちゃんと原宿から帰るくだりがエモすぎる。エモエモエモエモエモ!内容とは関係ないけれど個人的に、原宿といえば、黒人が偽ブランド品を売りつけてくる印象が強いけれどフィクションの中の原宿で黒人の売人を見たことが無いし、りゅうおうのおしごと!のアニメでもきっと出ないだろう。アニメの原宿には黒人の売人が居ないという曲をいつか作ろうと思っていたけれど、服部せんせいの「黒人のションベンパコ~」の音声をサンプリング出来なくなってしまったので多分作らない。

・「名人」ってもしかして……と思っていたけれど、もしかしてだった。

・五巻の挫折パートは、「ああ、挫折パートね……」と少し思ってしまったけれど、銀子ちゃんに当たる台詞では、「うわっ、それ言っちゃう~?」とキツくて良かった。

・三巻のあとがきで、『今までは「こういうのが受けそうだな」と思って書いた事はあっても「これが書きたい!」と思って書いた事はなかった』とあったのを、そんな事書いて良いの!?と思ってワクワクした。

・五巻のあとがきで、一巻の初動が良くなかったので著者が「このシリーズは五巻までにしましょう」と提案したくだりにびっくり仰天(オッケー!(ガァルマゲドン))した。石川博品せんせいの「先生とそのお布団」で、思いの込めたシリーズの打ち切り&打ち切り地獄を読んでいたから。メロディ・リリック・アイドル・マジックは一瞬で打ち切りが決まったのに……。

【感想備忘録:本】経済成長という呪い―欲望と進歩の人類史

繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史が、人類に対してとても楽観主義的な立場から書かれた本だったので、別の視点から書かれた本を読んでみようと思って読んでみた。

 

かつての産業革命は、新たな雇用の創出などによって人間の労働を内包できたため、経済成長に繋がった。けれども、現在のテクノロジーの発展に伴う革命は雇用の創出につながるどころか、中位所得層の雇用を破壊し、社会の二極化につながる。結果として、テクノロジーの発展が経済成長に繋がらない事態となっている。

 

人間というものは、豊かになればなるほど、飢えるように更なる豊かさを追い求めてしまう。その飢えを癒やしてくれるのが持続的な経済成長という妙薬だったが、人類は今後、持続的な物質的な経済成長というものに頼らないよう精神構造を変化しなければならないと著者は論じる。

 

全体の読書感としては、そこまで新しい知見を得たという感覚はしなかったけれど、本書でも、人類の人口転換について「奇跡」とまで言われて触れられていたのが興味深かった。

 

それと、やたらと歴史関連の話題でアゲられる事の多い古代ローマ帝国が、経済的な面において、本書でも「繁栄」でもこき下ろされているのも興味深かった。本書では、「帝国のシステムが西洋は危機によって大きく後退したからこそ、奴隷と乏しいテクノロジーに基づくローマ型システムから抜け出せたのである」とまで言われている。

 

 

経済成長という呪い―欲望と進歩の人類史

経済成長という呪い―欲望と進歩の人類史

 

 

「繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史」を読んでGのレコンギスタを思った

富野かんとくの講演に行った時に話が出た中で読んだサピエンス全史を読んだ時、「これは、実質Gレコ副読本……」と思ったけれど、この本は、Gレコへの反駁書のようだと思った(Gレコの方が後から作られたんだけど)。

 

富野かんとくは、先鋭化した専門家・技術者と、過度な技術革新に対して不信感を持っている人で、バイストン・ウェルからリギルドセンチュリーまで、技術が数百年単位で固定化した世界が急速に変化していく時に起こる騒乱を舞台にした物語も多い。富野かんとくの講演時や、テレビ出演時には、毎回と言って良いほど「技術者」サゲが行われる(その割に、∀のホレス氏やGレコでのハッパさんのような技術者を魅力的に描いているのが面白い所だと思う)。

Gレコと、富野かんとくの非技術進歩論で言えばずっと気になっている事があって、Gレコ放送前のこの↓インタビュー。

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大人が「G-レコ」を見る必要はない! 「ガンダム Gのレコンギスタ富野由悠季に直撃取材 - アキバ総研

https://akiba-souken.com/article/21122/

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この中で、ウィリアム・H・マクニールの「戦争の世界史 」に触れて、「作者の目線が戦争史家ではなく、経済史家に近いんです。その作者から見ると、この千年のほうが人類史全体から見れば異常な変革期であった。だから千年以前の歴史に戻すべきである、と書いています。」とかんとくはコメントしているけれど、このインタビューを読んで以来、ちょっとずっともやもやしている。

なぜなら、戦争の世界史の結論部に、「この千年のほうが人類史全体から見れば異常な変革期であった」とは書いてあっても、「だから千年以前の歴史に戻すべきである」なんて書いていないから(そもそも「戦争の世界史」の執筆時期は1980年代初頭で、その後に起こったインターネットや携帯端末機器の爆発的普及などといった事を考慮すると、本書の結論部で「一〇〇〇年間も続いた動乱の時代は終わりを告げた」と記述がある事に意味があるとは思えない)。

富野かんとくは、たまに読んだ本の内容やなんかをおかしな引用の仕方をする事があるけれど、この時のインタビューもその一つだと思う。 

直近で言えば、ひるね姫における夢の世界の描写で、サピエンス全史の「人類を人類たらしめているのは虚構を信じる能力」という部分を引用していたのも少しおかしいと思う。サピエンス全史の中で語られる「虚構」というものは、夢や宗教や神といったものに限られず、もっと大きな、金融資本だとか、起業だとか、国家だとかいった、もっと大きなくくりのものだから。

 

富野かんとくの話ばかりになってしまった。

 

本書における著者の主張は、人類全体における専門知識の積み重ねや分業の推進と、それに伴う技術革新と交易の推進がなされる限り、人類は繁栄し続けるはずだ、というもの。人類が発生してから今日まで歩んできた道筋や、近代以降に数多くなされた、悲観的かつかつ的外れな未来予測の言論が、「楽観的な合理主義者」の立場から論じられている。

富野かんとくの作品(特に宇宙世紀作品)内では、人口増加による地球と人類全体の圧迫が多く語られるテーマではあるけれど、本書内において、人口の増加は経済的な収穫逓減に繋がるものではなく、むしろ収穫逓増に繋がるものだと論じられている。そもそも、世界人口は近いうちにピークを迎え、その後は減少へ向かっていくとも語られている。

また、「発明を止めて、新しいアイデアを使わないでいるのは、人道にもとる危険な所業なのだ。」という文面にも、少しにやりとしてしまった。

 

基本的には人類は今後も繁栄を続けるだろうとの論を進める著者ではあるれども、勿論人類が無条件に繁栄し続けると語っているわけではない。今後も、人類全体の中でアイディアを交尾させ続け、技術革新を進め、変化し続ける限りという前提があればこそ、というのが本書の肝。

 

富野かんとくは数十万年単位で人類の事を考えているので、未来というものがせいぜい数世紀単位で語られる本書とは、視点が違うと言ってしまえばそれで終わりだけれど、今まで個人的にGレコ副読本と思って読んだ本の中では一番興味深かった。

 

結局富野かんとくの話ばかりになってしまった。

繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

 

 

【感想備忘録:アニメ】りゅうおうのおしごと!(1-4話)

原作は知らなかったけれども、アベマティービーで偶然一話を観て以来、配信サイトで放送を追っている。

あいちゃんがとても可愛い。「クワッ……クワッ……」や、「きゃにきゃに~」など、真似したくなる所が多い。

JS研パートはあまり好みではないけれど、シャルロット・イゾアールちゃんが可愛いので何も言えなくなってしまう。

銀子のキャラクター造形がとても好み。

あいちゃんの両親の演技がなんとなく拙いと思っていたらアニメソングの大御所!何故!?

二話で、あいちゃんの「クワッ……クワッ……」をきっかけに、九頭竜くんが勝ちを貪欲に狙って勝利する流れがや、三話でのあいvs銀子戦が良かった。九頭竜くんがネットの評判をチェックする描写がけっこう心に来た。

SDキャラが可愛い。

女の子の演技の付け方があざとくて可愛い。

【感想備忘録:アニメ】ヒットをねらえ!

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特撮番組、超変身コス∞プレイヤーを制作していく様子を描いたアニメ。

お色気要素はあまり好きではないタイプだったけれど、パンツがドアップになって「つづく」と文字がかぶさる演出は「くだらねー!」と思って楽しかった。だけどぼく、基本的に女の子のパンツというものがあまり好きでは無い。ぼくが人生で初めて聴いた催眠音声の赤いリボンのリコでパンツを口に突っ込まれた時には興奮を覚えたような気もしたけれど、基本的には好きではない。てーきゅうで、ユリちゃんのパンツをパンモロルックしたかなえ先輩が「いやなもん見ちまったぜ」「なんだかショック」というギャグシーンがあるけれど、あるから何だ。なんでもないです。WUG!のパンチラシーンは、「うわ、ナマっぽい嫌なもの見たなぁ……」という効果を狙ったものだと思いますが、ぼくはアニメの女の子のパンツというものを見た時に、多かれ少なかれ似たような気持ちになります。でも、やっぱりパンツがドアップになって「つづく」となるのは面白い。映画全員死刑の冒頭のパンモロを思い出した。

そんな事はどうでも良くて。

後のSHIROBAKOにも通じる、番組制作アニメとしてとても面白かった。

児童向け特撮番組という事で、スポンサーや各位のしがらみに振り回されながらも情熱を持って作品を作り上げていく過程が面白かった(それを、自信が特撮ファンでありながら東映特撮に深く携わっている荒川せんせいが描くというのがおもしろい)。ただ、あんまり生田ちゃんとは仕事をしたくはないかなと思った。あと、劇場版コス∞プレイヤー、やっぱり春映画だ……(この頃には春映画の概念は無いけれど)

 

 

【感想備忘録:アニメ】アイドルプロジェクト

超変身コス∞プレイヤーを観ている途中、数年ぶりに観直したくなって観直した。

ら、めちゃめちゃ面白かった。

・いやー、最高!オタクが作ったオタク向けのアニメってカンジで、こういう作品を定期的に摂取したくなってしまうし、最近アイドルプロジェクトを観たのがちょうどその時期!

超変身コス∞プレイヤーを観ている途中で観たくなったけれど、三話四話の脚本、荒川せんせいだったのか……。という気持ち。

・ザ・90年代なキャラデザが本当に可愛い。ぼくはシオンちゃんが好き。

・お話はナイに等しいけれど、とにかく映像が面白い。金田系著名アニメーターが多数参加している事もあって、作画的な見所が多い。

・レイラとエクストラの女の子同士の関係性。ぼくはセックスをしていると思う。

・ぼくはシオンちゃんが好き。

・大傑作の第三話。

・未夢ちゃん可愛い。

【感想備忘録:アニメ】超変身コス∞プレイヤー

・一昔前のOVAを観たい気分の時、dアニメストアで見かけて視聴を始める。OVAかと思って観始めたらOVAではなかった。

・変身3部作中の劇中劇の特撮番組である事を視聴途中で知る。

・「ああっ?!なんだこのアニメ……?」と思って観始めたけれど面白かった。

・シリーズ構成が荒川稔久せんせいという事もあり、特撮ネタや、オタクっぽい所が面白かった。「桜相寺春雄って誰だよ!!!」と思っていたらヒットをねらえ!に出てきていた。ぼくは特撮に関してはあまり詳しくないので、攫えていないネタは多いだろうなと思った。

・主人公の古都を演じる松来さんの声が可愛い。

・古都とスカーレットの関係が、女の子同士の関係性(ぼくはインターネットの使いすぎで、百合という言葉が使えなくなってしまいましたが、これは百合という意味です)っぽくて良かった。ぼくは女の子同士の関係性が好き。荒川せんせいで女の子同士の関係性といえば、同じ年に放送していたデカレンジャーの39話を思い出した(「まるで恋人同士みたいだね!」じゃないでしょ!)。

・リョナっぽい描写が多くてドキドキした。

・劇場版コス∞プレイヤー、春映画だ(この時代に春映画は無いけど)