【感想備忘録:アニメ】HUGっと!プリキュア4話「 輝け! プリキュアスカウト大作戦!」
ああああああああっ??!!!
は、はぁーっ、はぁーっ……。
う、うますぎる……。
演出がタナカリオンかんとくだという事は事前に聞いていたし、予告の時点で薄々感じてはいたけれど、映像面が豪華すぎる……というかうますぎた……。
作画がうまいとか云々以前に、絵コンテが上手い。空間の使い方がめちゃめちゃに上手い。手前に登場人物を置いて奥で別の動きを見せてくれたり、というのは以前から田中かんとくが得意な手法だけれど、やっぱり上手い。
あと、作画も上手い。引きのカットやローアングルのカットの多用なんかも田中かんとくらしさを感じられて、心の中のささくれた部分で少しくどくないかと感じはしたけれど画面にメリハリが出て面白い。
画面の記号やエフェクトまで全力で使い倒す演出がとても面白い。
教室のシーンで、主人公達が話している周りのモブ達が演技しているのが印象的だった。
ほまれちゃんが可愛いものを見た時の反応は、少しあざとくてうっ……となってしまった。ほまれちゃんといえば、三話でのクロエちゃんのような説教シーンも、少しウッとなってしまった。
ネットで拾ってきた記事が週刊誌をキャプチャしたような記事なのか……と思った。
実際のバスケットボールのゴールは、バスケットボールのボールが二つ入るくらいのサイズだけれど、バスケットボールのゴールがきちんとしたサイズで描かれた事をアニメで見た事が無い。アニメに出てくる原宿にも、ちゃんと黒人の売人を描いて欲しい。ぼくは中学時代にバスケットボール部だった。スリーオンスリー!実質オーロラドリーム!(実質プ○リズ遊び)
「プリキュアは諦めない!」の台詞は、少しメタっぽかったかなと感じた。
はなちゃんがフレッフレッして「そういうのいいから……」みたいな反応をされるのが面白かった。
面白かったー!というよりは、上手い演奏家のすごい演奏を観て感動するような回だった。
田中かんとくの存在を意識したのはスイートプリキュア♪の23話で、Aパート終了時点で「なんだ今回の演出家は……」と思ったのをはっきりと覚えている。
その後、田中かんとくはGo!プリンセスプリキュアSD、キュアモフルン監督とキャリアを重ねていったけれど、個人的に、田中かんとくが一番輝くのは各話演出の時だと思っている。
というより、各話演出の時に画面から全力で放出される個性というか、エゴのようなものが、SDの時や映画の時には抑えられてしまっているように感じられたのが少し残念だったなと感じていた。
デジモンの各話演出を追ったりはしていなかったので、久々の田中かんとくの各話演出を観て、そんなもやもやとした気持ちが吹き飛んだ気がした。
いや、もやもやとした気持ちというのは、田中かんとくについての気持ちではなくて、HUGっと!プリキュアという作品に対してのもやもやかもしれない。
「こんな豪華な素材を集めたら豪華な作品になるに決まってるじゃん!」というような、少しささくれだった気持ち。
メジャーなスラッシュバンドが、普通にファンが好きそうな格好良い曲ばかり詰まったアルバムを出してきたみたいな気持ち(そういえば、ぼくはGo!プリンセスプリキュアの時、ずっと「演奏の上手い若手スラッシュバンドの、格好の良い曲ばかりが詰め込まれた格好の良いアルバム」とずっと例えてもいた)。
そういえばぼく、ずっと菱田かんとくと田中かんとくがバトルする展開を望んでいたけれど、まさか同じ番組の中で各話演出として肩を並べる日が来るとは思いもしなかった。
菱田監督にはプリキュアを倒すという気持ちを持ち続けていて欲しいし、田中監督とはバトルして欲しい
— 巴 (@Tomoe_Kixx) 2016年4月24日
「ガンダム」の影響下にある若手監督では、やっぱりプリキュアの田中リオン監督が演出家として同じ方向性にあると思うけれど監督としての姿勢はまるで違うので、やっぱり菱田かんとくとリオン監督でバトルして欲しい
— 巴 (@Tomoe_Kixx) 2016年4月26日
同じものから影響を受けている真逆の性質の監督という事で、ひしだかんとくにはリオンかんとくとバトルして欲しいと思っていて、リオンかんとくには人間のエゴを大事に出来るライターと組んで欲しいとも思っていたけれど、リオンかんとくとつぼたさんの組み合わせだとすべてが上手くハマるぞ……
— 巴 (@Tomoe_Kixx) 2017年3月27日
リオンかんとくは三次元的な画面の使い方が上手い人なのに対して、菱田かんとくは二次元的な画面の使い方が強力な人なので、同じアニメを演出して、どういう画面の違いになるかが楽しみ。
あとは、菱田かんとくのファンだからという楽しみとは別に、東映アニメーションオールスターのようなスタッフが揃えられた作品の中で、完全に外様(かつ個性&エゴが強い)の演出家が参加するという事自体が楽しみでもある。