トモエブログ

きぐるみハードコア

「RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編] 君の列車は生存戦略」を観たんですが……

テレビアニメ、輪るピングドラムの再編集劇場版映画、「RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編] 君の列車は生存戦略」を観に行きました。

 

正直、あまり鑑賞モチベーションは高くなかったのですが、既に江衛子さん(配偶者)と、観に行く話をしていた事もあり、観に行く事になりました。

 

観に行ったのですが、結論から言えば、

「た、ゼンゼン楽しくね~~~~っ!!」

と思いました。

 

再編集劇場版をわざわざ観に行くくらいなので、ぼくは輪るピングドラムという作品が人並み以上程度には好きなのですが、マジで、ゼンゼン楽しくなかったです……。

 

なんというか、輪るピングドラムって、TVアニメだったからこそ魅力的だった、みたいな感覚がぼくにはあるんですよね。

ぼくが幾原かんとくを追うようになったのは、高校三年~大学一年くらいの時に観(返し)た美少女戦士セーラームーンがきっかけで、そこから、少女革命ウテナにもハマって、ちょうどそんな時期あたりに新作発表があって、毎週楽しみにしていたのが輪るピングドラムという作品でした。

幾原かんとくは東映アニメーション出身の監督ですが、東映アニメーションという会社は、各話担当の演出家が、その話数の担当者として独自のカラーや面白さを出す事が多いアニメ制作会社です。

(それこそ、セーラームーンで頭角を現した幾原かんとくもそうでしたし、同じように東映を退社する事になる五十嵐かんとくも、細田かんとくも、最近でいえば、ずっと真夜中でいいのにのMV等で人気のはなぶしさんなんかも、東映アニメーション作品内において、「この回、すっご……!」みたいな回を担当しています)

なので、ぼくも東映アニメーション作品を観る時には特に「この回、この人の演出回なんだ~」というような事を強く意識しながら視聴する事が多いのですが、(ウテナもそうですが)輪るピングドラムも、そんなように東映アニメーション的な、各話の担当演出による「それぞれの担当話」が次々と連なっていくのを、各駅停車の列車のように一話づつ観ていくのが楽しかったし、面白かったです。

今回の総集編映画では、そうした一話一話が連なったTVアニメ作品としての面白さが削がれてしまっていたというのが一つの「楽しめね~~~!」ポイントでした。

そしてもう一つの大きな「楽しめね~~~!」ポイントなんですが、これは作品の構造的な問題なんですが、ピングドラムの、あの、時系列や場所なんかがバラバラの回想のような形式でシーンを観せていく手法。あれ、TVアニメだからギリギリなんとかなっていたと思うんですけど、映画館で二時間映像を観させられる(観させられるって言っちゃった)ぞって時にやられると、マジで辛かったです。

映画という一本の作品を観ているはずなのに、一々作品に対する気持ちを分断されるような心地というか、物語のドライブ感の一切が削ぎ落とされてしまった感じがしました。

 

一方をサゲつつ、一方をアゲる、というのは非常に無作法な事とは承知で別作品の名前を挙げるのですが、同じ再編集映画という枠組みでも、「劇場版Gのレコンギスタ」は本当に上手いし面白いよな……と、帰り道で考えていました。

Gのレコンギスタという作品、ぼくは大好きなんですが、TV版の欠点として、「一話一話の間でのテンション的な繋がりがチグハグ」という部分があると考えていて、これが、Gレコがウケなかった理由の一つかな、とも思っています。

けれど、劇場版では登場人物たちの感情だったり場面ごとの描写だったりが上手く整理されて、各部が一本一本の映画として気持ち良く観られる作品へと生まれ変わっています。

そんなように、「TV版が、映画で再編集されてこうなるんだなァ!」という感情のベクトルを、逆転させたのが、「RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編] 君の列車は生存戦略」を観終わった後での鑑賞感でした……。

 

あと、一切関係無いのですが、数日前に観たアニメ映画「バブル」も、なんだか面白くなかったです(流れ弾)。ハァ……と思いつつ、その流れで、同じWIT STUDIO制作のアニメ「おにぱん!」を観始めたのですが、おにぱん!……、めちゃ楽しくて毎日のように観ています(一方サゲ一方アゲ無作法ムーブ)。

おにぱん!といえば、劇場版IDEON接触編の編集は、TV版の時系列を結構前後させて一本の映画にしようとする意気が感じられて、ぼくは好きです。

ぼくは好きなんですが、接触編の編集、変に上手いせいで、「接触編だけ観て、なんとなく「ああ、TV版もこんな感じなのよね」ってカンジに分かったようになってるヤツが多く居るんじゃねーかァ?!」と、勝手にシャドーボクシングをしています。

 

関係ない話になったので終わりです。

 

終わる前に、「RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]」を観ていて気づいたのですが、ぼくは、フィクション上で食べ物が粗末にされている描写を観るのが結構好きだな、と思いました。

フィクション上の猫虐待描写が好きなのと(ぼくはフィクション上の猫虐待描写が好きなのか?考 - トモエブログ)同じ方向性で好きかもしれません。

 

(おわり)