トモエブログ

きぐるみハードコア

#PRとステルスマーケティングの間に違いはあるのか?という話

この文章は、ぼくが好きな女性声優さんが、インスタグラム上で化粧品の宣伝しているpostを見る度に心を乱された結果、有り体に言えば、ブチギレて書いている文章です。

 

ぼくは普段、インターネットをしている時にはインターネットに対して、だいたい常にブチギレているのですが(というのは大げさな表現です)、ぼくがインターネットの中でも許せね~~~ッと思う行為の上位に来る行為が、ステルスマーケティングに関するものです。

 

ステルスマーケティング

所謂ステマ

個人の感想である事を装い、広告である事を隠した上で行われる広告行為です。

インターネットでは、2012年に旧2chで発生した「ステマ移民騒動」辺りから、「ステマ」という言葉がよく使われるようになった、という個人の感覚です。

(ぼく個人としては、「ステマ」という言葉自体は、あまり好きではありません。これは、匿名インターネットにおいて「ステマ」という言葉が、文字通りのステルスマーケティングを指摘する言葉というよりも、SNS発で流行しているコンテンツや、単にインターネットで人気なコンテンツ全般を貶めるために使われがちな言葉であるからでしょう)

 

それから十年あまり。

SNSなどで、たまにタレントや芸人のステルスマーケティング行為が発覚してたびたび炎上したりだとか、あるいは間の抜けた話では、アナと雪の女王2での感想漫画騒動などもありました。

toyokeizai.net

 

で、そんなステルスマーケティングにまつわるハナシでよくあるのが、 #PRのタグ付けのハナシです。最低限、【広告】だとか、 #PRのタグを付ける事によって、postを見た人間に、そのpost内容が広告である事を伝えなければいけない、というようなハナシで、上に張った記事でも、「 #PR」のタグを付けなかった理由などについてのハナシが出ています。

が、が、が。

ぼくが何を言いたいかというと、「 #PRさえ付ければいいのかよ?!」という事です。

 #PRさえ付ければ、所謂ステマと呼ばれる行為と同じようなpostをしても許されるのかよ、というより、そんな事は問題にもならないのかよ、という憤りがあります。

 

そもそもステルスマーケティングというものの邪悪さ所以は、インターネット上における、人々の純粋な「これは素晴らしいものだから人に勧めたい!」「自分の好きなものを人に知ってほしい!」という、心の底からの情動に基づくアウトプット行動全般を踏みにじる行為であるからだ、と思っています。

 

例えば、ぼくが好きな映画に、2016年に劇場公開された「KING OF PRISM by PrettyRhythm」という映画があります。

この映画は、土曜朝に放送していた女児向け販促キッズアニメに登場する男子キャラクター達にスポットを当てたスピンオフ映画という、非常に少数のファンに向けてしか作っていないのではないかとしか思えないような、非常にニッチな作品です。

しかしながら、この映画は当初の公開規模からすると異例のヒットを記録し、その後、続編やTVシリーズの製作も行われました。

そのヒットの大きな要因は、当時は珍しかった「応援上映」という上映スタイルが、TVシリーズ未見の層にウケたという事が大きいですが、作品自体がヒットするに至るような火が付くに至ったのは、熱狂的なファンによる熱心な布教活動が一番の要因です。

(丁度、2015年~2016年といった時期は、マッドマックス怒りのデス・ロードや、ガールズ&パンツァー 劇場版、HiGH&LOW、シン・ゴジラといった、SNSの口コミ映えする映画が多く公開された時期でもありました)

当時、TVシリーズからのファンや、新たに作品世界と出会い、心酔するに至ったファン達は、自分達が体験した神秘体験の素晴らしさを他人に伝えるため、Twitter上で熱烈的な布教活動を始めました(その中で大きな役割を負っていたのが、応援上映の体験レポート的な感想漫画でした)。その結果、さながらサイコフレームの共振によってアクシズが押し戻されるように、通常であればリーチしないであろう層に作品の魅力が届き、先述の通りのヒットに至り、世の中では「応援上映ブーム」が起こり、様々な映画が応援上映を通じて盛り上がったり、盛り上がらなかったりといった事も起こったわけです(かく言うぼくも、自分でチケット代を払って、友人に一緒に来てもらう、という行為を行っていました)。

 

そして、ステルスマーケティングという行為は、単に行為者が、自分のフォロワー等の受け手に対する不義理、というだけの問題ではなくて、そういった、インターネット全般における種々雑多の純粋な「好き」による行動を踏みにじって、タダ乗りする行為なんですよ。

 

で、表題の問題に戻りますが、商品を自分の感想のようなテイを装って宣伝する行為をするにあたって、「 #PRさえ付ければいいのかよ?!」という事です。

 

インスタグラム上で、商品の画像と共に感想を添えてオススメして、「続きを読む」をクリックしないと表示されないような複数付けられたタグの中に #PRを紛れこませれば、それが、免罪符になるのかよ、という事です。

 

そんな行為は、不義理度で言えばステマと何も変わらないだろう、と思っています。

 

そんなわけで、ぼくは、単に画像とオススメ文章を載せるだけのインフルエンサーマーケティングというものを憎んでいます。

 

そしてそんな不義理な宣伝を、ぼくが好きな人間がするのかよ~~と、ぼくがブチギレている、というのがこの文章です。

 

「一体そのpost一つで幾ら貰えるんだ」

「何万円で信用を売ってるんだ」

という声も、自分の中で聞こえてきます。

 

好きなものとインフルエンサーマーケティング、といえば、ミュークルドリーミーのまいらちゃんが画像SNSで上記の宣伝活動をしていたのも、「手前っ!」と思いました。

それと、ぼくが応援しているユニットの方々が、 #PRをつけて、健康的なサービスの宣伝をしていた時もショックでした。

あと、デリシャスパーティ♡プリキュアの華満らんちゃんが自宅のラーメン店を宣伝していたのは、ステマじゃねぇか~~?!と思いました。

 

(通常であればおわり)

 

…。

 

そんな内容の事をブログに書こうと考えながら電車に乗っていた3/1。

インスタグラムを開いてみると、再び、件の女性声優さんのpostが目に入りました。

再び、美容関連の商品を宣伝する内容。

ま、また「 #PR」かよ~~~ッ!

そう思いながら、「すべてを見る」タブをクリックしてみて、我が目を疑いました。

広告にあたる文章の後に連ねられたハッシュタグの一覧の中に、 #PRや、それに類するタグがつけられていなかったからです。

いや、これは……。

厳密に言えば、本文のおまけ部分の文章にPRという二文字は入っているのですが、これは……。

いや、証拠は無いので、純粋に、「好き」の気持ちで宣伝しているのかもしれません。

けれど、上でぼくが言っているのは、そもそもインフルエンサーマーケティングという行為自体が、個人の信用というものを商品として売る行為であって、というか、いや、これは、いや、マジで……。

いやマジでこれ、ステマじゃねぇか~~!??

 

というブチギレで、この文章を書き始めました。

 

(おわり)