トモエブログ

きぐるみハードコア

女性ホルモン剤一年半強服用後の心身の変化についての話

このブログ等でもちょくちょく話に出していますが、ぼくは、2021年の6月頃から女性ホルモン剤を服用しています。

 

現在、黄体ホルモン剤であるマレフェMTFと、エストロゲン剤のエチニラ個人輸入し、1日1錠づつ服用しています。

 

 

何かきっかけがあって始めた、というわけではありませんが、継続している理由については、「ぼくは生まれ持ったアイデンティティというものは後天的な働きかけによって塗り替え可能なものであるべきである」という思想と、「男/女というカテゴリー分けを嫌悪しつつも、『女性的なもの』に惹かれる」という矛盾した思考が混ざりあった結果でしょうか。

 

ともあれ、そんな動機的な話は脇に置き、心身の変化について書いていきます。

 

精神面での変化について

精神に関する面における変化での一番大きなものは、男性的性欲の著しい減少です。

一番大きな変化、というよりも、実感できるほとんど唯一の変化かもしれません(精神面での変化か?肉体面での変化ではないか?という気がしますが)。

インターネットでの体験や、あるいは最近読んだ「大衆の狂気」という本の中のトランスジェンダーについての項目にあった体験などでは、メンタルバランスが崩れたりだとか、感情の振れ幅が大きくなったりだとか、あるいは音楽の嗜好が変わったりとかいった話なんかもありましたが、そういったものは実感できるものとして、一切といって良いほどにありません。

人間の精神というものは、基本的には肉体に従属的なものなので、肉体に変化があったのなら精神が変化していない事はないだろうと思いますが、少なくとも、マイナス面での変化は一切無いと言っても過言ではありません。

嗜好の変化、という面では、アダルトビデオの類。特に、現実の男女が性交をしているような映像が気持ち悪く感じられて観られなくなった、というのは大きな変化かもしれません。

単純な性嫌悪というわけではなく、iwaraやDL.siteは定期巡回してもいますし、基本的に二次元的な性的コンテンツは相変わらずに好きなのと、じゃあ実写なのがNGなのかといえば、ぼくはインターネットでオタクが自慰行為をしている動画を観るのが好きなので、これも違うような気がします(この問題については、未解決です)。

音楽についての嗜好については、相変わらずにオールドスクールデスメタルとスラッシュ(メタル)と(ゴア)グラインド(コア)が好きで、特に変化はありません。

それに加えて、強いて言うなら、最近はドゥーム系のメタルが好きで積極的に聴くようになりました。

特に最近は、フーデッドメナスがお気に入りでよく聴いています。

 

www.youtube.com

 

肉体面の変化について

上の方で、「肉体に変化があったのなら精神が変化していない事はないだろう」と書きましたが、肉体面についてはそれなりに変化がありましたので、以下、記していきます。

 

肉体面の変化で、単純に人から多く指摘される事については、容貌の変化です。

この一年あまり、そこそこ頻繁に会うひとから久々に会う人まで、色々な人から、外見の変化について指摘をされ、なおかつ容姿を褒められる事が多くなりました。

「整形した?いや、何かしたでしょ?」

と言われる事もありますが(前者はノーで、後者はイエスです)、詳しい要因について答えるのも憚られるので、人から外見の変化について指摘される度に、

「まあ、『男子三日会わざれば刮目して見よ』って言いますからね……」

と答えています。

外見面での変化について言う言葉ではないのではないか、というのは承知の上で、男子要素が削られた結果での変化について「男子三日会わざれば~」と言うのは面白いなと思っているので、使い続けています。

久々に会う人からは、「誰?!」とも言われる事が多いですが、これについては、ぼくの髪型がそこそこ変わったのと、その人と再会するまでの間にCOVID-19禍で日本社会が完全にマスク社会へと移行した影響が多い気もします。

しかしながら、十年来二十年来の友人や、自分の母親などからも指摘された事なので、容貌の変化、というものは客観的にあったのだろうと思っています。しかしながら、その変化が、全て女性ホルモン摂取の結果という訳でも無いのではないか、とも同時に思う所です。

この二年ほどは、老化研究の本などを読んだ結果、生活習慣全体が以前よりも改善しており、スキンケア等もしっかりと行うようになったので、それらが複合した結果ではないかなどと思っています。

 

人から(あまり)指摘される事なく、かつ、自身で一番感じた変化は、乳房の成長・発達です。

これは、乳房が成長・発達したという意味ですが、まあ、気をつけていれば、そんなに人から気づかれないくらいかな、と、自分では思っています(本当に?)。しかしながら、まあ、あまり薄手の服などは着られないような程度です。

また、2021年後半から2022年後半あたりまでは、乳腺の発達に伴う胸の痛みがほぼ常時継続していました。

その内の数カ月間は、まともに歩くのも困難で、日によっては猫背気味になるくらいで、軽く人と胸がぶつかる程度でも、激痛に「ギャー!」と声を上げるくらいでしたが、今ではある程度落ち着きました(日によって違います。今現在は、割と痛いです)。

 

ある意味で生物として一番大きい変化で言えば、生殖能力の消失かもしれません。

これは、勃起能力の喪失という意味ではなく、精子作成能力の消失という意味です。

半年ほど前、ふと思い立って市販の精子検査キットを使用して自分自身の精液を撮影してみました。

 

ぼくは、ペニスを使用した射精行為を二年ほど前に禁止しているのですが、ほぼ一年ぶりに目にした自身の精液を見た時点で、「あ、これはおかしいぞ」と思いました。色や質感、量などが、どうにも普通ではありませんでした。

ひとまずは手順に従って、スマートフォンのインカメラを使用して、自身の精液の精密動画を撮影してみました。

こんな簡単なキットで撮影なんて出来るのか、とも思いながらの撮影でしたが、確かに、それらしいものが撮影出来ていました。

しかしながら、そこに映っていた液体の中には、何らかの細かいゴミのようなものが映っていた他には、何か自発的に動くようなものは一切写っていませんでした。

さながら、劇場版GのレコンギスタⅣにおけるフォトントルピード使用後の宇宙空間といった様子。

これは、駄目でしょと思いながら、添付されていたコードを使用して、動画の投稿と、精液量の報告を行いました。これにより、専門家による結果報告が返ってくるという仕組みです。

数日後に返ってきた結果としては、以下のようなものでした。

 

 

 

ちなみに、この項目の「精液量」の約1mlというのは、当方の自己申告による数値ですが、正確ではありません。正確には、1ml未満です。「約」という範疇に収まらない程度には、未満でした。

1mlという事になっているのは、単に報告時の最小単位が1mlだったという理由です。恐らくは、先方によって記入された数値も、単に入力時の最小単位だから、という理由で記入されているのに過ぎないでしょう。

そもそも、レポート結果を見るまでもなく、写っていないものは写っていないので、判別も何もありません。

この後、念のために一週間ほど女性ホルモン剤断ちをした後に再度撮影してみましたが、結果は同じようなもので、これらの結果から、どうやらぼく自身の身体からは、一般的な生殖能力というものが失われてしまったようだという事がわかりました。

ぼく自身、グノーシス主義的な思想を持っている事もあり、自身の人生も非出生で行くと決めてはいたのですが、いざ実際に自身に生殖能力が失われた事を実感すると、たまに、かつ繰り返し、こんな非可逆な事をしてよかったのか?等と思う事もあります。

自分自身の思想や思考・行動に対して、「これで良いのか」と自問自答をする事を常日頃大切にしていますが、非可逆な行動については、自問自答をした結果後悔する事になっても、どうにもならないのではないか、という感じではありますが、いざ自分自身が舵を切った方向性へ「この道しかない(There is no alternative)」とばかりに思考停止状態で進んでいくのは良くありません。

繰り返し考えた結果、ぼくの身体に関しての変化に関して後悔している事は特に無い、というのが、今の所のぼくの考えです。

 

(後悔している事といえば、配偶者の江衛子さんに対して無断かつ隠れて行っていたため、江衛子さんにバレてしまった際に非常に大きなショックを与えてしまった事です。その件については、大変不義理であったと深く反省をしています。

隠し頃が判明したきっかけは、夏の非常に暑い日、上半身裸の状態でアロハシャツを着ていた所、胸のあたりを見られ、

「なんか……胸無い……?!」

と言われた事がきっかけです。

(当時、物語シリーズをAudibleで聴いたり、アニメ版を観たりしていたので、その影響もあってそのようなスタイルで過ごしていました)

ぼく個人の話では無いので詳しくは省きますが、そのような事件とも言って良い事があった上で仲良くしていくれている江衛子さんには非常に感謝しています)

 

閑話休題

 

その他での大きな変化で言えば、太りやすくなった(脂肪の付き方が変わった)事と、筋肉が付きづらくなった事です。

 

少し前の記事でも言及しましたが、女性ホルモン剤を服用するようになって以降、太りやすい体質になったので、最近は運動量を増やしています。

tomoekixx.hatenablog.com

一年半ほど前はBMIの数値が概ね18-19辺りだったのですが、昨年からは21-22辺りになっています。絶対的な筋肉量自体は増えているはずなので、体重自体をそこまで気にするのは良くないという気は、確かにしています。

(これでは、太っているように見えないのに、体重だったり、太った事を気にするアニメの女の子のようなものかもしれませんが……いや、逆に、ぼくは、そんな女の子達の気持ちが分かります。分かるようになりました、という事です)

体重はそこまで気にしないとしても、確かに、脂肪の付き方が変化しているという事は感じています。なんというか、皮下脂肪が身体の全体についた感じと、臀部に多くついている感じです。

それと、先述した通り、リングフィットアドベンチャーによる継続した筋肉トレーニングを行っているにも関わらず、そこまで筋肉が付かない、という感覚があります。決して筋肉量が増えていないわけではないのですが、「もう少し付くものじゃないのか……?」というような具合です。逆に、少しサボって再開した際には、「こんなに衰えるようなもん……?」と驚くくらい筋肉量が減っている感じがしました。

この辺りの筋肉の付き具合についての話は、感覚的な所が大きいので、正確ではないかもしれません。

(老化研究にまつわる統計データでは、ある程度皮下脂肪があるグループの方が少ないグループよりも死亡率が低いらしいので、皮下脂肪については、まああっても良いか……という気もしていますが、今現在、ぼく自身の胸のふくらみがあまり目立たない状態にあるのは、体型を標準体型よりも痩せ型に保っているため、という自覚があるので、その面でも、なるべく皮下脂肪も減らしていきたいな、という思いがあります)

 

 

最後に(自己適用限定自己責任論)

と、概ねそのような変化が心身に起こりながら女性ホルモン摂取を継続しており、概ね、心身共に好調のまま生活しています。

ぼくは、所謂「自己責任論」というもので人や社会の物事を論じる事が好きではありません。

(というのは嘘で、元々自己責任論的思想が強い人間なのですが、それを他人や社会へ適用する事をする事は良くない事であるといった方向性へ自分自身の思想を矯正しました)

逆に、自分自身に起こる事に関してはなるべく「自己責任論的」で居たい、とも思っています(その方が、自分自身の人生をコントロール出来ている、という気がするので)。この考えを「自己適用限定自己責任論」と呼んでおり、そのような考えの元に女性ホルモン服用を行っているという事です。

「自己適用限定自己責任論」には欠陥があり、それが何かといえば、文字通り、他人の事象に対応出来ず、対応しようとした場合、自分自身の行動との間に矛盾が生じる事です

何が言いたいかと言うと、人から「個人輸入かつ個人判断による女性ホルモン剤服用」について相談をされた場合、ぼくは、「そんな事はやめておいた方が良いし、ひとまずは病院で判断して貰った方が良い」という自分自身の行動とは矛盾した返答をする、という事です(実際、別のインターネットでそのような返答をした事があります)

 

(おわり)