先日、傑作中華SF小説「三体」シリーズの公式スピンオフ小説「三体X」を読みました。
元々がインターネットで公開されたファンによる二次創作小説という事で、「いやこれオタク！！！！！」という部分が多いながらも、本編では語られなかった隙間の部分の補完の仕方や、大風呂敷を広げ続けていった本編を更に大きな風呂敷で包んでいくような展開には関心もさせられました。
いや、とても良く出来たオタク二次創作小説だなァと関心させられると同時に、だからこそ、絶対に受け入れたくない、絶対に受け入れるわけにはいけないという強い気持ちを持ちました。
ぼく自身の話、をするのですが、ぼくは「二次創作的な作品が公式として提供される」という状況が非常に苦手です。インスタントな言葉を使ってしまえば、地雷とでも言うのでしょうか。
ぼくの中でそうした苦手意識が育っていったのは、ぼくが富野由悠季かんとくのファンである事に由来しています。二三日前、夢の中で「ぼくは富野由悠季監督の関わっていないガンダム作品の存在は認めていません」と早口で言う、という夢を見ましたが、そういう事です（本当は、非宇宙世紀モノのガンダム作品の中には好きなものもあるので、完全にそういうわけではありませんが）。これは、夢の中でたまたま口にした台詞、というわけではなく、ぼく自身がよく口にする台詞でもあり、少し前に一年戦争モノの二次創作映画が公開される前後辺りには、よく仕事にまつわる人間関係の中で話題を振られて何度も同じ台詞を繰り返し口にしました。
何が言いたいかというと、所詮は二次創作に過ぎない作品が公式面をしているのが気に食わないし、そんな二次創作宇宙世紀作品の再生産を繰り返すバンダイ・サンライズの姿勢が気に食わないんだよォーーッ！！という思いを十数年感抱き続ける中で、そのような思想が固まっていったという事です。0083……？UC……？そんな作品は存在しないので知らないですね……。
同じような理由で、スターウォーズについても、ジョージ・ルーカスの手を離れて以降の作品についてはぼくの中で存在しない事になっています。スターウォーズ＆ルーカスといえば、何年か前に「ピープルVSジョージ・ルーカス」という映画を観たのですが、観ている時には、自分の好きな作品とその創作者であるジョージ・ルーカスに対する愛憎入り交じったオタクの感情を感じ取られて面白がり～～っながら観ていたのですが、観た後に、よく考えたらもう今となってはスターウォーズはルーカスのモノじゃないんだから、その図式は成り立たねえじゃねえか！良かったな！オタク！！と、勝手にブチギレていました。
なので、そんな人間が三体Xを読もうとする事自体が間違いなんだよッ！という訳でありますが、この流れで、三体Xの話の苦手だったり好きだったりした話をします！するぞ！
いや、オタク（鳴き声）！！！
だいたいぼくは、原作の穴埋め的な二次創作が好きではないのと、それと、「あのキャラとあのキャラは実は過去に関わりがあった」的な描写が（二次創作云々に関係なく）好きではないんですよね。
ガンダムで例えると、安彦良和せんせいによる二次創作漫画の中で、過去のホワイトベース隊員だとか、ジオンの有名パイロットだとかが、色々な所で過去にニアミスをしていたような描写なんかが、とても苦手だという事です。
それと、原作の色々な設定や描写を拾って「実はこれは……」と展開していくのも、関心はすれども、正直言って苦手な部分でもあります（オタクによる二次創作といえば、シン・ウルトラマンを観た時にも、そういった部分がハナにつきました）。コンスタンティノープルのあの女も出てくんの～～～ッ？！という所まで行くと、ちょっと笑ってしまいました。雲（クラウド）コンピューターというのはちょっと面白かったです。
歌い手世界と、その王のパート辺りは、純粋に良かったです。
王……好きだ……。
あと、完璧だった十次元世界の崩壊および宇宙の低次元化が、「時間」を求めた故であるだとかのくだりはグノーシス神話的でもあり、面白いなと感じました。永遠回帰の意味だったり、永遠回帰でなくなる意味だったりするハナシも、普段よく考えている事でもあったので「そうだよね」と思いました。
程心が良かれと思った事が失敗だと分かって心乱される描写が好きというのは分かるし、程心が智子にマウントポジで殴りかかる描写は、確かに好きだという気持ちはあります。ってか、マジで三体Ⅲでのラストをひっくり返してんな！
新宇宙パート！いやオタク（鳴き声）！！！！オタクオタク！メタフィクション！！！
ってか、この二次創作が、公式として、あるいは「一つの形」としてアリって事はだなぁ～～ッ……！三体Ⅲのラストのメンツが、程心とAAと智子だったって事に勝手にぼくの中で捏造しても良いって事だよなァ～～っ？！（？）
それと最後に、というより、実質唯一ぼくが絶対に声を大にして言いたいことは、
〇〇のモデルが✕✕だったなんて絶対許さないからなッ！！！
とういう事です。
いや、マジで、マジで絶対許さねぇ～～～～～ッ。
（おわり）
