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【感想備忘録:本】経済成長という呪い―欲望と進歩の人類史

繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史が、人類に対してとても楽観主義的な立場から書かれた本だったので、別の視点から書かれた本を読んでみようと思って読んでみた。

 

かつての産業革命は、新たな雇用の創出などによって人間の労働を内包できたため、経済成長に繋がった。けれども、現在のテクノロジーの発展に伴う革命は雇用の創出につながるどころか、中位所得層の雇用を破壊し、社会の二極化につながる。結果として、テクノロジーの発展が経済成長に繋がらない事態となっている。

 

人間というものは、豊かになればなるほど、飢えるように更なる豊かさを追い求めてしまう。その飢えを癒やしてくれるのが持続的な経済成長という妙薬だったが、人類は今後、持続的な物質的な経済成長というものに頼らないよう精神構造を変化しなければならないと著者は論じる。

 

全体の読書感としては、そこまで新しい知見を得たという感覚はしなかったけれど、本書でも、人類の人口転換について「奇跡」とまで言われて触れられていたのが興味深かった。

 

それと、やたらと歴史関連の話題でアゲられる事の多い古代ローマ帝国が、経済的な面において、本書でも「繁栄」でもこき下ろされているのも興味深かった。本書では、「帝国のシステムが西洋は危機によって大きく後退したからこそ、奴隷と乏しいテクノロジーに基づくローマ型システムから抜け出せたのである」とまで言われている。

 

 

経済成長という呪い―欲望と進歩の人類史

経済成長という呪い―欲望と進歩の人類史