トモエブログ

きぐるみハードコア

「50%ポイント還元 Kindle本冬のキャンペーン」内で、個人的に読んで良かった本

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表題の通り、明日(あと24時間弱)まで開催されている、Kindleのポイントキャンペーン対象書籍で、個人的に読んで良かった本を挙げていきます。

 

ショシャナ・ズボフ「監視資本主義」

つい先程読み終わりました。

ぼくは、5chの読書スレッド的なもので読む本を決めたりする事がままあるですが、その中でみかけて気になっていたので、キャンペーン対象になっている事に気づいてやった!と思い購入しました。

グーグルを筆頭とした、民主主義的な政治プロセスによる国家の統制が及ばない巨大IT企業によるデジタル強奪が人間・社会に及ぼす脅威に対して、情熱的に警鐘をかき鳴らす内容で、とても面白かったです。

ある種ディストピア小説の世界設定部分を読んでいるような心地のする文章を追いながら、何度も「いや、もういっそ、この甘美な監視資本主義のシステムによる誘惑に堕ちていった方が……」と、ぐるぐる目になりました。

そもそも、「この本がキャンペーンに含まれている!」と気づいたのも、スマートフォンGoogleのニュースフィード欄でキャンペーンの事を知って、Amazonを開いてみたらオススメされたコンボがきっかけ(……?だったかな。けれど似たような感じ)だしな……!という思いがあります。

 

 

「FACTFULNESS」

様々なデータを列挙し、この数十年でいかに世界がより良くなってきたか、という内容で、一昨年あたり散々話題にもなった本なので、説明不要でしょう。

個人的に、「世界が分断されているという思い込み」への反論に対して経済的なデータを持ってくるのはどうなんだ……?という思いと、本書内で定義されている「レベル4」に到達するのがゴールなのか……?という思い等があります。

 

 

 

ルトガー・ブレグマン「Humankind 希望の歴史」

「21世紀の啓蒙」や「FACTFULNESS」のように、既存の社会に蔓延している、人類社会に対する悲観的な見方や思い込みに対して、反証を挙げながら明るい事実を論じていき、人間の本質が「善」である事の証明を試みる本で、面白かったです。

最近読んだ「反穀物の人類史」「家畜化という進化」と繋がる部分で、人類は「フレンドリーな個体ほど生き残りやすい」というルールのもとで自己家畜化された類人猿「ホモ・パピー(子犬)」であり、その優しい特性こそが、国家等の権力構造下では残酷な行為に繋がってしまうという点が興味深かったです。

けれど、全て読んだ上で、この本の中で描かれるような人間の本性は、はたして「善」と言えるのか……?(反語)と思いました。

なんというか、身近なコミュニティ内の人間に優しくて、共感という名のスポットライトに踊らされやすく、それが原因で他コミュニティ等の「他者」に対して暴力や排他行動を行ってしまうのって、それって、「普通のxx人(スラング)」的な生態じゃねぇのかぁ……?と強く思いました。

 

マシュー・サイド「多様性の科学」

複雑な問題をに立ち向かう必要がある組織において、「多様性」というものが必要な本当の理由は、道徳や倫理的な問題ではなく、「組織に多様性が無いと致命的な問題が発生するから」だという事を論じた本で、とても面白かったです。

太平洋戦争(と、ノモンハン事件)における日本軍の失敗を研究した「失敗の本質」内では、色々な失敗の分析がされていますが、結局その大本の本質は「多様性の欠落」で、その体質自体は令和の現代においても国家・企業において受け継がれており、自分自身が、まさにそのような企業で労働をしている事を考えると、かなり、ノーフューチャーな気分になり続けています。

人種差別的サイト「ストームフロント」を運営していた白人至上主義者の青年が、その活動を大学内でバレた後に、周囲の学生達からの攻撃的批判を浴びせられながらも、友人からの歩み寄りによって自らの思想を矯正していく下りは感動的で、涙が出てきました(キャンセルカルチャーに代表される、リベラル側から反動側に対する攻撃・抑圧的な行動を本当に良くないと思っているので)。というか、THE BOYSの「ストームフロント」って、ビリー・ジョエルの曲名とのダブルミーニング的な事で、このサイト名から由来しているのでしょうか。

LIFESPAN

ぼくはトランスヒューマニズムに興味を持っており、また、進歩主義者でもあるのですが、トランスヒューマニズムにしても、進歩主義においても、その根幹になるのは「長寿研究でしょ!」という思いが日々強くなっています。

老化研究に携わる著者による老化研究の現在までの科学技術的な内容と、著者による老化を巡る思想・人文的な主張が、軽快な文章で綴られており、とても面白かったです。

今の自分の生活に一番大きく影響を与えている本と言っても過言ではないかもしれません(ぼくは死にたくないし老いたくもないため)。

 

その他、購入しただけのもの。