トモエブログ

きぐるみハードコア

【読んだ本】羅漢中「三国志演義」いや、面白かった~~~~~~~~~っっ

少し前の記事にも書きましたが、最近、三国志演義を読み直していて、読み終わりました。

いや~~~、めちゃ面白かった~~~~~~~~~っ。

 

世の中に数多ある「三国志モノ」の創作物の中でも、結局三国志演義が一番面白いのでは……? と思うくらい面白いです。

 

全120回を通して、後漢末の動乱から晋による統一までの約百年間を物語るという構成という事もあり、基本的に(諸葛亮が活躍する時代辺りの諸葛亮アゲ描写がクドかったりもしますが)テンポ良く物語が展開していくのがやっぱり良いです。黄巾の乱なんかも、第二回で終わりますしね。

また、三国志演義といえば、劉備諸葛亮、あるいは最大のライバルである曹操が主人公格として物語が描かれる作品ではありますが、そんな主要キャラクターが死んでも、物語が次の回次の回へと淡々と断絶的に続いていく感じが、とても好きだなと感じました。あくまで彼らは主人公格ではあっても主人公ではなく、三国志という時代を彩る登場人物の一人に過ぎない、というような描き方が、群像劇的で良いです。

とはいえ、(ぼくは基本的に、演義諸葛亮は好きではないのですが)諸葛亮の最期あたりの描写は、かなりグッと来るものがありました。

 

全体の構成を通して、やっぱり反董卓連合~呂布の死あたりの群雄割拠時代が一番面白いな~~とも感じました。有名人物が次々と登場する感じだとか、各勢力が手を結んだり敵対したりする感じだとかが。

それと、序盤は戦場における武将個人の強さ≒軍団の強さといった描写が読んでいて気持ちが良いですね(徐庶の登場あたりから、この辺りの作中の戦争のルールが変わっていきますが)。

あと、捕縛された呂布の処遇を曹操に聞かれた劉備が「こんなヤツ信用しない方がいいでしょ……」と言うシーンは、演義補正があった劉備だとしても、どの口が~~~?!ってカンジで面白いです。

 

先に、演義での諸葛亮が好きではないと書きましたが、いや~~、赤壁前後あたりの周瑜魯粛がカマセ役になった諸葛亮アゲ描写、やっぱり好きじゃないですね。

赤壁後の話で言えば、第五十六回「曹操大いに銅雀台に宴し 孔明 三たび周公瑾を気らす」の回での銅雀台でのわちゃわちゃエピソードがとても好きです。なんだか、アニメの「野球回」みたいなカンジで)

それと南蛮編も、なんだかテンポが悪くてあまり好きではありません。

北伐編に入ってからの諸葛亮司馬懿のライバル関係については、やっぱりなんだかんだで面白いですね。諸葛亮が奇策によって戦術的勝利を重ねながらも、戦略的には勝てない描写の塩梅が良いなと思います。

あと、諸葛亮司馬懿に女物の衣装を送って煽るエピソードは有名ですが、その何回か前の北伐戦で、司馬懿が曹真に対して自分の意見を申し入れる時に「(もし違っていたら)顔に紅・白粉をぬり、女の着物を着て、お詫びに参上つかまつります」とか突然自分から言い始めたのが面白かったです。「素質あるよ」ってカンジで。

 

今、正史も順番に(有名な人の項目から)読んでいるのですが、裴松之による注で補われた面白エピソードだったりが、三国志演義で上手く物語に組み込まれているんだな~と関心したりています。引用した裴松之自体が「いや~、こんな話ウソでしょ~~~」みたいにコメントするような話も多いのが面白いですね。逆に、この話、陳寿による記述パートからの話だったのか~~、なども(鍾会による諸葛亮の墓参りイベントなど)。

 

三国志演義の下敷きになった「三国志平話」も読みたいな~と思っているのですが、絶版のようなので、とりあえずは図書館で借りて読みたいと思います。

 

(おわり)