トモエブログ

きぐるみハードコア

【日記】偽・善行をなるべくしたい話

3/26(日)

 

ラウドパーク2023に参加するため、新幹線に乗っていました。

 

指定席の予約が一杯だったので、自由席です。

乗車の列に並んでいる段階で、「座れるのかっ……?!」と思っていましたが、列の前の方に並んでいたという事もあり、割とあっさりと座れました。

3列シート。

窓側の席に一人座っていて、真ん中の席を飛ばして、通路側の席。

ヤッター! 座れるし、充電も出来るぞっ……!

そんな事を思いながらも、自分と、窓側の席の乗客との間の空席が少し気になりもしました。が、まあ、自由席だし、もしも座りたい人が居たら、座りに来るだろう、とも思いました。

また、周囲の様子を見ると、自由席の空席はポツポツある様子で、これなら、ぼくの隣の空席も気にすることは無いかな、と、しばらく思っていました。

 

そんなこんな、これから参加するラウドパークに出演する予定のバンドの曲を聴いたりしながら、スマートフォンでインターネット徘徊をしていました。

 

すると、しばらく経った後。

ぼくの座席の左前方。

二列座席の通路側の席に小さな娘を座らせ、自身はその側で立っている母親が居る事に気づきました。

なるほど、確かにこの車両に空席はあったとしても、小さな子供を連れて並んで座れるような、二席続いての空席は無い、という事か……。と思いました。

 

図で表すと、

 

■娘母 ■■■

■■  ■□■

■■  ■■■

■■  巴□■

 

といったような状況です。

 

合理的に考えて、自分の席と、左前方の母子を交換した方が良いよな、と思い、席を立って、母親に声をかけました。

「すみません、あそこの席の隣が空いているので、席を交換したら、どうかと思うのですが?」

母親からは、ありがとうございますと感謝され、その席の後ろの老夫婦(?)からも、「偉いねぇ」と褒められました。

別段、自分が負担を負う事は無い状況で(わざわざ声をかけに行く、という精神的な負担は別として)、母子は並んで座れ、周囲の人々は、「目の前で善行が行われている」という状況に出くわす事が出来(人間の脳は、「善行を見る」行為が好きなように進化・設計されているため)、ぼくも感謝・褒められてそれなりに良い気分になる、という、スーパープラスサム空間が出来上がってしまった……!と、思いました。

(その母子が品川駅で降りた際、改めてお礼を言いに来た時は、いや、いいよ別に……とは、少し思ってしまいましたが)

 

ぼくは常々、ゼロサム的な構造だったり考え方は避けて、物事は往々にしてプラスサムの方向へ持っていかなければいけない、と思っているので、これは良い事だな、と思いました。

 

また、ぼくは最近「善」について考える事が多いです。

これは、最近 機動戦士ガンダム 逆襲のシャアについて考える事が多かった結果でもあるのですが、その結果、「人間の善性を信じる」という事を、自分自身の思想指針としていこう、と思うようになりました。

 

この新幹線車内での出来事は、その思想指針を行動に移した結果でもあり、その結果自体も、思想指針を強めるものになった、というハナシです。

 

ぼく自身、全くもって「善」の人間ではなく、むしろ「悪」側の人間であるという自覚があります。しかしながら、そんな人間でも、人為(偽)によって善的な行為は出来る、という事で、まさに、「人之性悪 其善者偽也」ってやつですよね、という事を思いました。

 

そんな事で、最近、なるべく善行をしたい、という気持ちを持っています、という話です。

 

という、この日記を書こう書こう、と思いつつ書いていなかった4/21(金)。

 

繁華街近くの駅でエスカレーターに乗っていると、前に立っている、お洒落な服を着た女の人の後ろ襟に、予備のボタンがついたままになっているのを発見しました。

 

上記の事があったので、

 

(これは、声をかけて指摘した方が良いのか……?)

 

とも思いつつ、突然、知らない人間から声をかけられるのは不快なのでは……?!とも思いつつ、駅改札を出て、若干ストーキングのような形(不審者)になりながら、

 

いや、でもきっとこの人は新しい服を買って、ルンルンの気持ちで外出をしているのだろうから、それを、後から「ずっと、予備のボタンがついたままになっていた」と気づくのは、不憫なのでは……?!

 

と思い、「あ、すいません」と声をかけました。一瞬気づいてもらえなかった後、ワイヤレスイヤホンを外した女性から、「はい?」と返され、「後ろ、予備のボタンついたままですよ」と指摘し、「あ、ありがとうございます」と、女性は後ろ襟の内側に予備ボタンを仕舞い、その場を去っていきました。

 

この一連の自分の行動が、善かったのかどうか、自分でもよくわかっていません(不審者だったのでは……?!)

 

おわり