トモエブログ

きぐるみハードコア

【読んだ本】張競「中華料理の文化史」

暴太郎戦隊ドンブラザーズFLT名古屋公演の終演後。

アスナル金山の中華料理店で麻婆豆腐を食べている時に、ふと、

「欧州史を中心とした香辛料の歴史は色々な本で読んだけれど、そういえば、中国史において香辛料がどう使われていたかの歴史を全然知らないぞ……!」

と思ったので、読みました。

 

 

タイトルの通り中華料理の文化史についての本で、様々な文献や図像資料から、「中華料理」といったものが様々な時代を経て、どのような変遷を辿ってきたかについて記された本で、とても面白かったです。

著者の張氏が、文革時代も体験した中国出身の方という事もあり、そんな著者自身が生きてきた一昔前の現代中国社会の様子や、著者から見た日本文化に対する視点といった部分にも面白さがありました。

 

元々自分が知りたかった香辛料については勿論の事、小麦の粉食文化や羊肉料理、犬食文化の忌避等々、他地域との交易や遊牧民族との混交といった外部要因によって、「中華」における食文化は大きく変遷してきたんだなぁ、という事が分かりました。

現代中国では箸を縦向きに置くが、唐代当時は中国でも箸は横向きに置いており、その時代に箸文化が輸入された日本では現代でも箸を横向きに使っている、だとか、宋代辺りの中国料理は、所謂「和食」的なものに近いものだったりといった部分なんかは、「へぇ~~っ」と思いました。

 

全体としてのそれぞれの項目の記述は簡略なものが多く、また、例えばアメリカ大陸原産のジャガイモやトウモロコシといったものが中国の人口動態に及ぼした影響、といった面での語られ方については少なかったです。

 

同著者の「恋の中国文明史」という本も面白そうなので、読んでみたいと思いました(とはいえ、買ったまま積んでいる本が多いので、先にそちらを読みたいです)。